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6月17日の放送後記

漫画家の瀧波ユカリさんをお迎えしました

瀧波さんと砂鉄さんは、以前一度リモートで対談をしたことがあります。
その時は巨大な画面に映された瀧波さんと「奈良の大仏のような感じ」で話しました。
実際に会うのは初めてです。

お話はさっそく、現在連載中の漫画「わたしたちは無痛恋愛がしたい」について

題名の「無痛恋愛」という言葉が印象的ですが、この言葉は
スウェーデンの著者リーヴ・ストロームクヴィストさんが書いた「21世紀の恋愛」において、「変わりはいくらでもいる主義」、心を痛めることなくサクサクと別の人を選んでやっていくことに関して使っていました。
ただし、日本人の女の子はそこまでのノリはないため、漫画での使い方は少し違います。

そして、主人公の女の子は「鍵垢女子」。
これは瀧波さんが、現代の女の子がどういう恋愛をしたいのかわからず、「リアルにわからないというのは、あまりその世代の子たちが自己開示をしていないんじゃないか」と考えたことから生まれました。
見えてこないことをアイデンティティとしたのです。

また、物語のポイントとなるのは「フェミおじさん」です。
これは「ぶつかり男問題」を見ていて描きたいと感じたそう。
ぶつかり男とは、明確に女性がいる方にぶつかっていく男性を指します。
「新しい作品を描く時、時代の先を描かないと、すぐ時代が進んでしまうから、女性だから被る被害とか、女性だから気づくこと、男の人からは見えにくいことを描こうと思った」そうです。

漫画に登場する「星屑男子」では「男の嫉妬」を描きます。
作品内では「男の嫉妬って女の性欲と同じくらいなかったことになってるよね」という台詞も。
男の人が女の人に嫉妬するっていうのは創作でも描かれていません。


さらに「女の敵は女」問題は男の嫉妬と同じようなもの。
女同士を分断させるのはエンタメとしておもしろいのです。
それに対して瀧波さんは、「男同士の戦いを面白くかけばいいんじゃないか、
『人間の敵は人間』どろどろの面白さを性別のせいにしないで」と話します。

「フェミおじさん」は、この世界の希望として描かれますが、現実にはファンタジーの存在。
けれどもファンタジーの存在がいつか現実になるのでは?と希望を抱いています。

他にも、「進化論のイラストの最終形態がサラリーマン」のお話、「5歳の時からガチギレしてます」についてお話しました!

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