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■ドラクエ6のバーバラが好きすぎて……

「マイゲーム・マイライフ」のゲストにフリーアナウンサーの内田敦子さんがやってきました。ご自身のYouTubeチャンネルにて、ガチなゲーム実況をやっていらっしゃるとのことです。


内田さんが初めて自分一人でクリアしたゲームがドラクエ6とのこと。何周かするうちに、内田さんはあることに気づきます。
アナウンサーの内田敦子、ドラクエ6の世界でずっと冒険を楽しみたくて、いつもラスボス倒すのやめたくなる

内田「(マイベストゲームは)悩みに悩んでドラクエ6ですね」

宇多丸「やっぱりマイファーストドラクエでもあって」

内田「そうですね。最初にドラクエの魅力的な世界に引き込んでくれた作品というのもあって。それこそ、初めて一人でクリアして、クリアし終わって、もう仲間たちと一緒に私は旅ができないんだって事実を認識してしまったときに、本当に心にぽっかり穴が空きました」

宇多丸「ロスだ」

内田「ロスが。初めて人生で経験したロスっていう感じだったので。もっとこの世界にいたい。私もこの世界の人間でいたいっていう風に思ったのが初めてだったんですね」

宇多丸「何周かとかしたんですか?」

内田「結構、当時は時間が限られていたので、子どもの頃は二回目とかはやってないんですけど、大学生になってからもう一回やったりとか、社会人になってやったりとかして。四回くらいはやりましたね」

宇多丸「じゃあ結構、時代を経てずっと思い返すだにやってるというか」

内田「こんなにやってるのになんで私こんなところ全然覚えてないんだろうという感じがあるので」

宇多丸「ああ、毎回新鮮に(笑)」

内田「そうなんです。そうそうそう、この敵だ。ああ、この後、この敵だ、みたいな」

宇多丸「うんうん。いいですね、毎回新鮮にできて。

あと、キャラクターたちに対する思い入れも」

内田「そうですね。バーバラっていう女の子のキャラがすごく好きで、頭の上のほうのてっぺんでポニーテール作っている感じの子なんですけど。その子が結果的にちょっと悲しい運命というか。そういうものを背負っている子で、だけど、一番のムードメーカーみたいな感じなんですよね」

アナウンサーの内田敦子、ドラクエ6の世界でずっと冒険を楽しみたくて、いつもラスボス倒すのやめたくなる

宇多丸「(画像を見ながら)ちょっと活発そうなキャラというかね」

内田「あ、そうなんですよ。気が強い感じのキャラクターで。主人公に対しても、ほら、さっさと行くわよっていうタイプの子なんですけど。そんなキャラにこんな悲しい運命が……っていうところのギャップがまた好きで。バーバラが大好きすぎて、すべての強い装備をバーバラ最優先でやってたりとかして(笑)。でも、バーバラを(戦いの)メインに置くと、結構苦しいんですよ」

宇多丸「なるほど。バランスがあんまりよくなくなってきちゃう」

内田「そうなんですよ。なので、後半はマダンテっていう自分のMPを全部使い果たして渾身の一撃を食らわせる最大魔法があって。そのマダンテを撃つ要員として使ってましたね」

宇多丸「なるほど。

決めワザ。ゴール決める役」

内田「もう点取り屋として」

宇多丸「一番いいところは持って行ってもらおうと」

内田「持って行ってもらって」

宇多丸「結構そういう、ストーリーとかキャラクターに思い入れて、感情移入して入っていくタイプなんですね」

内田「入って……、いましたね~。(中略)クリアまでいかなくても、一個、街でのイベントをクリアすれば、次に問題が発生するところまでいかなければ、その間は平和というか。モンスターは出るけれども、そこそこの平和を維持できるっていうことに気づいてしまったときに」

宇多丸「ありますよね、平場のときね(笑)」

アナウンサーの内田敦子、ドラクエ6の世界でずっと冒険を楽しみたくて、いつもラスボス倒すのやめたくなる

内田「そうなんですよ! 平場のところで、いや、もうこれ以上進めないで、みんなで仲良く、そこそこの敵を倒しながらずっとここで暮らせばいいじゃん、みたいな気持ちになって、進めたくないなって思ったりとか」

宇多丸「これはね、本当に好きになっちゃったやつは、ありますよ。映画とか観てても、あのさ、もうメインの件、よくない? メインの件を進めると色々破滅とか起こるから、もう別にここ、仲良くして、ここでよくない? みたいなの、ありますよね」

内田「そうなんですよ。もう妥協点で。ここで妥協して、みんなでそこそこでいいよ、みたいな」

宇多丸「しかも、ゲームは映画とかと違って、止めようと思えば止められるじゃない(笑)」

内田「そう、自分が進めなければみんなは平和なんだって気づいてしまったときに、葛藤が生まれるんですよね」

ああ、これ、すごくわかります。なんなら、これを理由にMOTHER2のセーブデータをそこで止めたこと、何度もあります。MOTHER2で終盤、自分の生まれ育った街であるオネットにある悲劇が起こり、街中が真っ暗になり、建物の中にも入れず、街の人も家にこもって出てこず、誰とも喋れない状態に。明るくポップなオネットのフィールド曲も流れなくなり、なんとこの状態がラスボスを倒すまでずっと続くのです! つまり、そこまで進んでしまうと、もう二度と明るいオネットの街をうろうろすることができなくなってしまいます。オネットがその状態になってからラスボスまでは、まだそこそこストーリーが続くので、普通にプレイしていたら途中でセーブする人がほとんどだと思いますが、そこでセーブしたら最後! そのセーブデータでは一切、明るいオネットは楽しめません。ゆえに、オネットがその状態になる「フラグ」が立つ直前で一度セーブし、別のセーブデータを使ってストーリーをクリアするのがMOTHER2をやるときの私のお決まり。

ちなみにもうひとつ、ラストダンジョン的なものの入口でもセーブはできますが、ラストダンジョン的な場所に入ると、そのセーブデータでは今までのMOTHER2の世界には二度と戻れなくなるため、そこもオネットの件と同様に、セーブしないか、あるいは他のセーブデータを作るのが鉄則。
なんだかマニアックな話を熱く語ってしまいましたが、本当に好きなゲームの、あの世界観に浸りたくて、ずっとあの世界でうろうろと遊んでいたいのです。そのためにはラスボスを倒すのを辞めてしまうのが一番いいんですよね……。
アナウンサーの内田敦子、ドラクエ6の世界でずっと冒険を楽しみたくて、いつもラスボス倒すのやめたくなる

■今回のピックアップ・フレーズ

(FF7のストーリーがあまりに悲しく、しばらく呆然としてしまったことについて)
宇多丸「ひょっとしたら少女時代の敦子さんがボーッとしているのを見て、お父さんもお兄さんも『あ、あれだな』と(笑)。わかってた可能性もありますよね」

内田「ははははは。そうですね、学校で何かあったのか、じゃなくて、『あ、あそこまで来たか……』」

宇多丸「セーブデータ見て、はいはいはい、みたいな(笑)」

文/朝井麻由美(ライター、コラムニスト)

◆2月18日放送分より 番組名:「ライムスター宇多丸とマイゲーム・マイライフ」
◆http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20210218210000

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