今、アメリカ全土で「ミニパック入りのケチャップ」フライドポテトなどについてくるミニケチャップの不足が深刻化しているそうなのです。このご時世ですから、テイクアウトや宅配が増えていますからね。

そこで・・・。

「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまる「現場にアタック」!!4月19日(月)は、『アメリカではミニパックのケチャップが不足!日本では?』。というテーマで取材しました。

★ケチャップに対する情熱が違いますから!

まずはミニケチャップ不足を受けて、アメリカのケチャップ最大手、ハインツが増産を決めたそうなので、そのアメリカの状況を伺いました。ハインツ日本株式会社トマトケチャップ担当のシエ・サイモンさんのお話。

シエ・サイモンさん
「アメリカで特に深刻になったのが、今年の年始ごろですかね、2~3月のところで、供給が追い付かない状態になっていますね。バーガー屋さんとかも、よくポテトがついてますので、ケチャップが無いとポテトが食えない!という、そういった習慣になってますから。もうほんとに何でもかけますね(笑)。ケチャップに対する情熱は、ギャップがあるものですから。」

近堂かおりキャスター
「家にもケチャップがあるだろうからいらないと思うんですけど、欲しいんですね?」

シエ・サイモンさん
「そうなんですね、あの、ただでもらえますから(笑)。そうですね、アメリカでは約70%のマーケットシェアを占めてますから、そこに関する責任は、ものすごく重大に感じてますので、緊急に増産を計画しているところで、一か月後ごろには、こういう状態は安定するかな、という風に見ております。」

▼アメリカのミニパックケチャップです!

アメリカでミニパックケチャップが不足!日本ではコチラが不足!...の画像はこちら >>

アメリカのケチャップの70%のシェアを占めるハインツとしては、品不足に陥っているということに対して、非常に責任を感じていて、生産量25%アップ、年間120憶個のミニパックを作ると、対応強化に乗り出しました。
アメリカでミニパックケチャップが不足!日本ではコチラが不足!?

それにしてもアメリカの人はケチャップが好きなんですね!なにしろ、7月に大リーグのオールスター戦が開かれるコロラド州のバーガー屋さんは、「冗談抜きで、今から注文しておく!」と言っているとか。

ポテトは、ケチャップが無くても、塩だけでもおいしいですよ、と思いますが、まさに、ケチャップに対する情熱!が違う!!ちなみに、世界的にも巣籠り需要で、ミニパックケチャップは需要が高まっているということなので、日本はどうですか?と聞いたところ、

シエ・サイモンさん
「日本は特にミニパックに関しては全く心配いりません。

ご安心ください。」

★日本ではケチャップではなくてショウガの小袋不足!

そうなのです。日本では、ケチャップではなく、コチラの小袋が大変なのです。何だと思いますか?株式会社みやまえ常務取締役 金原和浩さんのお話です。

金原和浩さん
「うちはメインは「甘酢ショウガ」と「紅ショウガ」なんですけども、ミニパックの方は、お店にもよるんですけども、前年の150%とかいくところもありますね。予想をしてなかったところで増えたので、生産がちょっと大変だったですね。焦りましたですね。今まで付けてた漬物を、やっぱりテイクアウト用に、個食に入れてください、っていう要望はありましたですね。」

「みやまえ」は、奈良県生駒郡にある、ショウガ加工食品の製造販売会社。メインは甘酢ショウガ、いわゆるガリと紅ショウガ。これが、外食の飲食店用に出しているものは売れ行きが下がり、一方で、テイクアウトやお弁当用のミニパックは、生産が追い付かないほど急激に増えた。

▼株式会社みやまえの甘酢生姜。ガリですね。

アメリカでミニパックケチャップが不足!日本ではコチラが不足!?

▼こちらは紅生姜の小分けパックです
アメリカでミニパックケチャップが不足!日本ではコチラが不足!?

ケチャップは家にあるが、ガリと紅ショウガは、意外と冷蔵庫にないのでは??お寿司にガリが無かったら・・・牛丼に紅ショウガが無かったら・・・。
そう考えると、テイクアウトの時はやはりどうしても欲しい!と思う気持ちも分かります。

他にもガリや紅ショウガ以外の漬物のミニパックを作ってもらえないか?とかテイクアウトに対応するお店からもお店で出している漬物をパックに入れて!といった要望もあったとか。日本人は、どうもケチャップより香の物への情熱があるのかも?

★増産したいのはやまやまですが、ここは慎重に。

となればハインツのように、ここは一気に増産体制!と思いきや、違いました。

金原和浩さん
「この状況が将来ずっと続くとは分からないんで、機械を増やして増産体制っていうのは考えてないですね。今のところは現状のままで、あの正直お断りしているお客さんもありますね、生産ができないっていうところで、あの~引き合いがあってもちょっとお断りするっていうときもありますね。ありがたいんですけど、悩ましいですね。機械を設備投資しても、売ってる商品がそんなに高いものではないんで、一年ではペイにできないですね。そうですね~、やっぱり7~8年っていうところじゃないですかね。利益はそんなに取れないんで、現状維持で、残業なんかでカバーしていく、あとは色々工夫してですね、作れる数量を増やしていくっていうところなんですけど、なかなか難しいですね、それも。」

引き合いがあっても大口であるほど受けることができない現状で、とても悩ましい、と金原さん。しかし、ミニパックの機械フル装備揃えたら、ペイするまでに7~8年かかるとなれば、それは、おいそれとは、増産体制にシフトはできないですよね。冷静な判断だな、と思いました。

ニーズはある、しかし、先が見えないから慎重にならざるを得ない。改めて、このコロナ禍で企業が置かれている状況を実感しました。

◆4月19日放送分より 番組名:「森本毅郎 スタンバイ!」
◆http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20210419063000

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