日本三大うちわと呼ばれているのは、千葉の「房州うちわ」、京都の「京うちわ」、香川の「丸亀うちわ」。
これらの地域で、昔からうちわ作りが盛んだったことから日本三大うちわと呼ばれているそうで、それぞれ特徴が違うんだそうです。

千葉「房州うちわ」

房州うちわについては、南房総市 商工観光部 商工課の石井さんに伺いました。

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▼歴史
・関東でうちわ作りが始まったのは、江戸時代で、房州は、材料の竹を送り出す産地でした。
・「地方資料小鑑」という本によれば、房州でのうちわ生産は、
明治10年(1877年=145年前!)、那古町=現在の館山市・那古に始まり、付近の町村に普及したとされます。
・「房総町村と人物」という本では、明治17年に、岩城惣五郎という人が東京から職人さんを雇って生産を始め、安房郡の一大物産としたとされています。

「日本三大うちわ」とは!?

▼特徴
・持ち手部分の竹の丸みをそのまま活かした「丸柄」と、48~64等分に割いた骨を、糸で編んで作られる半円で格子模様の美しい「窓」が特徴だそう。
・そんな房州うちわですが、基本的には、房州産の女竹を使用し、丸柄と窓があれば、房州うちわとなります。
・その先は職人さん個人のデザインやうちわのサイズによって、種類が分かれるという。

京都の「京うちわ」

「京うちわ」については、塩見団扇株式会社の秋田さんに伺いました。

「日本三大うちわ」とは!?
「日本三大うちわ」とは!?

▼歴史
・京うちわを遡ると大陸から朝鮮半島を経由し、諸説ありますが、島根県の出雲あるいは、和歌山県の新宮から奈良を経由して京都、御所に伝わったとされています。そのため御所うちわ、都うちわとも呼ばれるそう。
・この時が江戸時代の初期で、そこから徐々に時代を経て庶民に広まったということ。(昔は竹工など工芸は高級なものだったみたいですね)

▼特徴
・他の産地との最大の違いは、房州うちわも、丸亀うちわも、うちわ本体の骨の部分と柄の部分=持ち手の部分が1つの竹で繋がっている。
・ただ、京うちわは、うちわ面=骨の部分と、柄の部分は別々に作って、最後に柄を挿して完成させるそう。
・そのことにより①骨の並びが美しく、うちわの平坦さが保てる。

②上絵に工夫を施せる。③挿し柄にも工夫を施せる。ということができるそう。
・因みに国産の材料を使い、なおかつ京都の「扇子・うちわの組合員」の方が作ったものしか京うちわは名乗れない、とのこと。

香川の「丸亀うちわ」

「丸亀うちわ」については、香川県うちわ協同組合連合会の小林さんに伺いました。

「日本三大うちわ」とは!?

▼歴史ですが、
・丸亀うちわの技術は江戸時代初期までに確立していたと考えられています。
・寛永10年=1633年になると、金毘羅参りのお土産として丸い柄に、朱色のうちわ、さらに『金比羅の金』の一文字を入れたうちわが考案され、丸亀藩が藩士の内職にうちわ作りを奨励するなど、代表的なうちわ産地の基盤を築くことになったそうです。

「日本三大うちわ」とは!?

▼特徴
先ほども触れましたが、一本の竹から持ち手と扇面が出来ているのが特徴です。

「日本三大うちわ」とは!?

みなさんも暑い夏、うちわで涼んでみてはいかがでしょうか?

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