TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』月~木曜日の11時から放送中!

3月1日(水)放送後記

生活の知恵を授かるコーナー「スーさん、コレいいよ!」。
お話を伺うのは…生活は踊る”月1レギュラー”、医療ジャーナリストで医師の森田豊さんです!

自律神経のバランスの保ち方

自律神経は、全身の血管を拡げたり収縮させたり、また、内臓の働きを調節している神経のこと。自律神経は意思とは関係なく24時間働き続けているので、バランスが保てないと、内臓の働きが悪くなったり、体温の調整つがうまくいかなかったりしてしまいます。


運動神経、知覚神経と並び、たいへん重要な神経なんですが、自律神経は、自律している神経なので、この神経を自分で操ることはなかなか難しいのですね。ただ、自分自身の自律神経のバランスを把握するようにして、そして、バランスを保つように努力することもできると考えられています。
特に気をつけたいのが「季節や環境が変わるとき」。3月や4月ですね。

この季節に特に気をつけたい自律神経のバランスを保つ方法「自律神経のバランスの保ち方」

①『 まずは、自分の自律神経の状態を確認しよう 』

自律神経とは、アクセルの働きをする交感神経、ブレーキの働きをする副交感神経の二つがあることはご存知かと思います。両者がバランスよく働いていればいいのですが、特に問題になるのは、アクセルばかりが働き過ぎてしまう状況で、身体に様々な不調が生じてしまいます。
アクセルモードが長く続き過ぎると、心身共に疲れを生じ、いわゆる自律神経失調症になり、疲れ、冷え、頭痛、腰痛、肩こり、めまい、吐き気、など、様々な症状がでることが多いです。自分が「どのような状態(バランス)になっていることが多いか」ということを考えてみてもらいたいです。

ただし、適度にアクセルの働きをする交感神経が活発に働くことは良いことです。
例えば、ノリノリの音楽を聴くとか、会話が弾んで喋りまくるとか、仕事に集中して失敗しないように頑張っているとか、ジムで筋トレをするときなんかも、アクセルモード、交感神経が優位になっています。
あくまでも、「長時間ではなく適度に」が重要です。

②『 日中はアクセルモード、夜はブレーキモード! 』

一般的に、昼間は適度にアクセルモード、すなわち交感神経を優位にしておいた方が仕事もはかどるんですが、とても大事なのは、夜寝る前からなんとかして、ブレーキモード、副交感神経を優位にすることなんです。夜寝る前までにブレーキモードにしておかないと、寝つきがわるくなったり、睡眠の質が低下したりしてしまいます。

ブレーキモードにする方法としては、
・ぬるめの湯船につかる
・スマホをいじらない
・間接照明にする
・ゆっくりした音楽を聴く
・ミントティやハーブティを飲む
・家族でにぎやかな会話をしない(言い争いをしない)など。

体の疲労をとるには睡眠が一番なので、寝る前1時間から2時間は交感神経を鎮めて、副交感神経を働かせるようにしたいですね。

この時期に乱れがちな、自律神経のバランスの保ち方の画像はこちら >>

③『特に気をつけてほしいのは「できる人、良い人、空気を読める人!」』

「副交感神経が家出してしまって」と言っているスーさんに、特に聞いてほしいのですが、今とても問題になっているのは、日中の交感神経、アクセルモードが過剰に働きすぎることです。それぞれの性格には多様性があって、性格自体は変えることができませんが、自分の行動パターンを意識して、是正することは可能だと思います。

アクセルモードに陥りやすい人は、こんな傾向にあります。
・几帳面
・周囲によく気配りをする
・周りからの評価を大切にする
・同時に多くのことをやろうとする
いわゆる「完璧主義者」の人が多い行動パターンですね。

このような行動パターンの人は、周囲から、仕事のできる人、とてもいい人、空気を読める人と言われることが多いです。この人に頼んでおけば大丈夫だからと、こういう行動パターンの人に仕事が集中しやすいのも確かです。

副交感神経が優位に働きすぎると、一日中、ゴロゴロ寝ていたり、だらだら過ごしていたりすると、太りやすくなったり、寝つきがわるくなったりで、健康的ではありません。
ただ、問題になりやすいのは、副交感神経よりも、交感神経が働きすぎることです。

▼自律神経のバランスをできるだけ保つために、確認してほしいことが3つあります。
1.「自分がアクセルモードに傾きやすく、交感神経優位になりやすい」
→行動パターンなのかどうかを、あらかじめ知っておき、日頃からバランスを意識するようにする。
2.「アクセルモードに傾きやすい行動パターンだとわかったら、なるべく、アクセルを踏まないように、ブレーキを踏むような行動を心がける」
3.「周囲にアクセルモードに偏りがちな人がいたら、過剰に頼ったり、たくさんの仕事を任せたりしないようにする」

ちなみに森田先生はバリバリの「アクセルモード全開派(ブレーキのない人)」だったので、それを改善しようと思い、ヨガを始めたのが、効果抜群!今ではとても良いバランスを保てています。


バランスは人それぞれ違うので、自分に合ったリラックス法を見つけておくことが大事です。「今はどっちに偏っているのかなぁ」と考えながら、日々、自分で自律神経のバランスを取ってみましょう!

この時期に乱れがちな、自律神経のバランスの保ち方
編集部おすすめ