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11月30日(木)放送後記

明日から12月。来月も新たに乳製品などが値上げされ、長引く物価高家計が厳しい方も多いと思いますが。

そうした中、「少しでもお得に買おう!」という動きが広がっています。

同じマンションの「ご近所さん」に、共同購入を呼びかけ

まずは、株式会社コネプラの奥井 亮佑さんに伺いました。

株式会社コネプラ・奥井 亮佑さん

「GOKINJO(ご近所)」というアプリなんですけれども、マンションの居住者同士が、コミュニケーションを取れるようなアプリを開発させていただいた。
掲示板というかスレッド形式のような形で、「〇〇の共同購入しましょう」と、起案者が投稿をしますと。
そこに、「いいね」や「コメント」ができるような機能があって、周りの人がコメントで返信をしていきます。
バリエーションは様々で、「コストコ、結構量が多いので、それを4人でシェアしたいので、残り3人募集します」と投稿したり、「大量で安価に買える、キムチを共同購入しましょう」とか、結構皆さん便利に使っていただいている。
べったりは付き合いたくないけど、得な情報とかは共有したいよねという感じです。

現在、首都圏を中心に、一部のマンションで導入が進められている、住民限定のスマホアプリ「GOKINJO(ご近所)」。同じマンションに住む人だけが登録できて、一棟30世帯から600世帯のマンションまで、幅広く導入されています。

お隣の名前すら知らない人も多いけど、いきなりピンポンして「一緒に買いませんか?」、と話しかけるのも、このご時世、躊躇してしまう人も多いと思います。

でも、そんな人もこのアプリ内で呼びかければ、共同購入する仲間を募集することができる。そして最終的には、宅配ボックスなどを使って商品を受け渡す、といった、スマートなご近所付き合いができます。

さらに、買い物以外にも、「ベビーカーをお譲りします」「高圧洗浄機を借してくれませんか?」など、様々な情報交換が行われているようで、同じマンションに住む人同士、多少の安心感もあるようです。

SNSで共同購入「シェア買い」

でも、「そんなマンションに住んでないよ!」という人も多いはず。
そこで、ネット上で広く共同購入を呼び掛けて、お得に買い物するサービスも登場しています。

商品をシェアして購入する「シェア買い」アプリを手掛ける、株式会社カウシェの代表取締役、門奈 剣平さんに伺いました。

株式会社カウシェ 代表取締役・門奈 剣平さん

ネット通販ですね。「カウシェ」っていう「シェア買い」アプリを作りました。
コンセプトとしては、誰かにシェアしたり、共有したりすると、お得に手に入ったりする。
例えばカウシェで、「あきたこまち」を買いたい、とう風になった時に、自分以外に、親、友達、家族などを招待して、その人も購入したら、よりお得に手に入る。
アプリ上でですね、匿名で知らない方におすすめすることもできます。
大体10~30%オフ、70%オフのものもありますし、どのサービスよりもお得だったりする。
ある意味、お客さんがちょっとした「営業マン」になって、それが拡散の力になるので、1個だけが売れるんじゃなくて、皆が広げてくれるというところが、安くできる背景になってます。

「カウシェ」というアプリで、米やお水、ティッシュペーパーなど様々なものが買えるオンラインショップです。

「シェア買い」という仕組みは、他にもさまざまなサイトで広がっていますが、でも、アマゾンや楽天と、何が違うのか。一般的に、「シェア買い」のサービスは、買い方に特徴があるようです。

1:まず、欲しい商品を選びます。
2:そしてこの商品を制限時間内に「2人以上」が申し込めば、「買い物成立」。定価よりも安く購入できて、それぞれが個別に決済。配送も個別に届きます。
3:ただし、人数が集まらなければ、「買い物不成立」。購入することができず、自動キャンセルとなります。
でも、人が集まらなかったからとは言え、買えないのも困りもの。カウシェでは、「さすがに不成立は残念だよね」ということで、最近、救済措置を設けました。買った後、商品の感想を投稿して、それをきっかけに別の人も購入すると、アプリで使えるコインが貯まる、という仕組みです。

人を経由し自動で拡散

では、出店者はこの「シェア買い」の効果、どれぐらい実感しているのか?

北海道の富良野の老舗洋菓子店で、カウシェでは格安でチーズケーキを販売している、「菓子司・新谷(しんや)」の、後藤 利城さんに伺いました。

「菓子司・新谷(しんや)」後藤 利城さん(北海道・富良野市)

富良野市の方から、「カウシェさんとの取り組みがあるんです」っていうお話をいただきまして、で僕も最初知らなかくてですね、チャレンジしてみた。
やっぱりコロナ禍で観光客が減って、富良野って観光地である中で、がそういう事態に陥ってしまった。


何か新しい取り組みが必要にはなるよねと考えてはいたところではあったので、僕としてはすぐに飛びついた。
僕らもページは見られるので、購入の雰囲気を見てますと、やっぱりまとまって買われてる方だったり、「連れ買い」っていう、お客様の口コミで広がっていくような効果っていうのは、かなりしっかりと出てるんだな。
もっと早くやってればよかったよねっていうレベルで、即完売っていう感じですね、いつも。

シェア買いの効果は絶大なようです。

実はこちらのお店は、ただの格安品ではなく、「規格外」のチーズケーキを販売しています。まだ食べられるけど、形が崩れてしまったようなチーズケーキを、通常は1ホール送料込み3000円近くで販売しているところ、カウシェでは送料込みで1500円前後で売っています。口コミでは、「フードロス削減に共感しました。一緒に買いませんか?」という口コミも多いとか。

シェアするから安くなる新しいスタイルの買い物が、物価高を背景に、今後さらに拡大していくかもしれません。

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