TBSラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』毎週月曜日~金曜日 朝6時30分から放送中!

12月19日(火)放送後記

年の瀬が近づき、そろそろ大掃除…と考えている方も多いのでは。
でも、使わなくなった身の回りのもの。

せっかくなら捨てずに、必要としている人に譲りませんか?というのが、今日のお話です。

「本」をお金に換えて、様々な団体を支援

まずは、「本」についてです。「チャリボン」というサービスを展開している、株式会社バリューブックスの、西山 卓郎さんに伺いました。

株式会社バリューブックス・寄付事業部 西山 卓郎さん

「チャリボン」という、本で寄付できるサービスを運営しております。
「読み終わった本」を弊社に送っていただいて、且つ、お客様が「団体」を指定していただくんですけど。
そうすると、弊社でその本をお金に換えて、皆さんが選択いただいた団体に寄付する。
例えば査定金額が3千円となった場合は、その3千円がそのまま、お選びいただいた団体の寄付に繋がります。
鳥が好きなら「野鳥の保護」だろうし、子どものことに興味関心がおありであれば「子供の居場所」について取り組んでらっしゃるような団体さんですとか、各団体さんそれぞれ特色ある活動をしていますね。
「本でしたら、自分はもう読み終わったし、誰かの役に立つならこれを使ってみようか。それで寄付になればラッキーだったね」みたいな、割とライトな感覚でご活用いただくことが多いかなと思います。

いらなくなった本をお金にかえて、寄付する取り組み。
どうやって、寄付に繋がるのか?3つのステップで完了します。

ステップ1:寄付先を選びます。

「チャリボン」のHPに掲載されている200以上の団体から、寄付したい団体を選びます。NPOやNGO、教育機関など沢山あって、選ぶのが難しそうですが、「貧困」「福祉」「ジェンダー」など、カテゴリーごとに一覧になっているので、気になるテーマを気軽に選んでくださいということです。

ステップ2:寄付したい本を送ります。

荷造りは自分で。ホームページの専用フォームから申し込んで、全部で何箱あるか、自分の住所、集荷希望日を入力すると、指定の日時にヤマト運輸が取りに来きてくれます。

ステップ3:本が査定され、査定額は全額が寄付されます。

金額は、メールで知らせてくれます。

まだ使える不用品は、誰かの必需品の画像はこちら >>

チャリボンで寄付先として選べる団体(一部抜粋)※チャリボンHPより

まだ使える不用品は、誰かの必需品

例えば、若者を支援する団体「NPO法人カタリバ」を選ぶと、本の査定金額が全額寄付されます ※チャリボンHPより

まだ使える不用品は、誰かの必需品

3箱まで送付可能 ※チャリボンHPより

週刊誌など、一部、引き取ることができない本もあるそうですが、絵本や漫画も、買取可能。12月31日まで、査定額が20%アップ。「本を通して、社会の様々な課題を知って欲しい」と話していました。

「物」を送って、生活困窮者の社会復帰を支援

続いては、不要となった「日用品」も役に立つという取り組みです。
生活困窮者のための支援をしている、NPO法人Homedoor(ホームドア)の事務局長、松本 浩美さんに伺いました。

NPO法人Homedoor(ホームドア)・事務局長 松本 浩美さん

使わなくなった物とかをまとめて、「Homedoor(ホームドア)」という団体がありますので、そちらの方に、直接郵送いただくという方法がございます。
保存がきく食品などが一番有難いんですけれども、例えば缶詰とか、カップ麺とか、レトルト食品とか、そういったものだったり。

あと、シングルサイズのお布団、毛布とか、タオル、洗剤など、使わないまま眠ってたみたいなものも非常に有難いですね。ケトルとか炊飯器、電子レンジは正直どれだけあっても有難いので、ぜひ頂戴できたらとは思っています。
特にいま物価高で、今まで買えてたものが、ちょっと買いづらくなったという方も多くいらっしゃるので、コロナ禍があって収入が不安定になってしまって、お家を失ってネットカフェ暮らしになってしまったというような方は、どんどん積み木崩しみたいな感じで、程度が酷くなっているんんじゃないかなと感じますね。

「ホームドア」は大阪の団体で、ホームレス状態にある人など、生活困窮者の支援を行っています。
物価高もあって、相談者の数はいまだに、コロナ前よりも高い水準。そんな中で、仕事や住まいを一緒に探して、再出発の後押しをしているんですが、「生活必需品」が足りていないそうです。
とくに今必要なのは、食品、小型の家電、男性用の衣類、ふとん、大きめのリュック。さらに、携帯電話が止まってしまって使えない方にはテレホンカードが重宝するようで、一度でも残っていれば、テレホンカードが有難いそうです。

会社の不用品を、必要としている人に受け渡す

最後に、オフィスで出た不用品を、有効活用する取り組みです。ストックベースの関 芳美さんに伺いました。

ストックベース 関 芳美さん

「出し手」と、「欲しい人」をマッチングするんですけれども。
企業さんが持っているノベルティだとか、カレンダーとか、コロナ禍で買い込んだマスクとか、あとは売れ残りの在庫とかで、特に食品だと販売期限があるので泣く泣く廃棄になってしまう。

だけどまだ全然食べられるし美味しいものを、例えば、高齢者施設とか、学生向けにとか、フードバンクとか、子供食堂などにお渡しするという仕組みです。
例えば高齢者の方は、薬の飲み忘れ防止で薬をカレンダーに貼り付けて使ったりとかで有効活用して下さるので、企業で不要とされてるものも、しっかりと社会に循環すれば必要な人がいるんだっていう。
受け取りの希望がすごく多いので、物が足りないっていう状況です。一瞬でなくなったりっていうのは、我々も衝撃的でした。

不要となったものを持つ企業と、それを必要とする団体を、マッチングするサービス。期限が迫った備蓄品や、カレンダーなどのノベルティを、廃棄することなく必要とする人に寄付します。
ただ、欲しい人は、「団体」として事前に登録が必要で、個人では利用できないのですが、現時点でおよそ300の団体が登録。マッチング率は100%で、物品も足りていない状況のようです。

捨てる前に、一度立ち止まって、考えてみてはいかがでしょうか。

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