今年もすでに花粉が飛び始め、花粉症の方にとっては辛い季節がやってきました。国としても「テレワーク」の活用など花粉症対策を呼びかけています。
花粉がない釧路で避粉!?
毎年この時期になると、色々な対策が紹介されますが、花粉を避ける「避粉(ひふん)」にスポットを当てた自治体があります。北海道釧路市役所市民協働推進課 島尚一郎さんのお話です。
北海道釧路市役所市民協働推進課 島尚一郎さん
今までポスターで「スギ・ヒノキの花粉が釧路にはない」ことを訴えていたんですけど今年は今月22日から「花粉ゼロ くしろで避粉キャンペーン」を行います。釧路の澄み切った空気の中で、午前中は仕事をしていただく。お昼は新鮮な魚介を楽しんでいただく。午後は、釧路湿原を見ていただく、そういう過ごし方があると思います。コワーキングスペースは、市内に5箇所はあると思うのでミーティングルームとか、プリンター、WiFi、整っていますし、1日使って2000円前後のところが多いのかなと。東京から飛行機で90分程度で来られる釧路、アクセスもいいので、花粉のない釧路に来るという選択肢を、花粉症の時期の1つの過ごし方として選んでいただければと。
釧路市で「避粉キャンペーン」と銘打って大々的にPRするのは初めてで、キャンペーンでは4日以上の長期滞在した方に、プレゼントもあるそう。釧路市には、夏は、涼しさを求めてテレワークなど長期滞在する人が多かったんですが、市としても、冬から春にかけても来てほしいということで、「花粉がない釧路」をアピールしようと今年から本格的に取り組み始めました。
釧路にはスギ・ヒノキがないので花粉が飛ばないことに加えて、北海道の中でも日照時間の長さがトップクラスということで、日に当たってビタミンDを作って、免疫力を高めることで花粉症の症状緩和も期待できます。
また魚にはビタミンDが多く含まれていると言われますが、釧路は去年の水揚げ量が日本一ということで、釧路の魚を食べることも対策になりますよと、訴えています。
花粉のない地域での宿泊に企業が補助
このように花粉を避ける「避粉」を呼びかける自治体がある一方、企業側も独自の制度を設けて、「避粉」に取り組んでいるところがあります。東京のIT企業、アイザック株式会社共同創業者の播口友紀さんに伺いました。
アイザック株式会社共同創業者 播口友紀さん
アイザックでは花粉の対策として「Tropical Escape」という制度を導入しています。
1泊3000円、2ヶ月間で最大20万円までの補助と、現地でリモートワークをする際のコワーキングスペースの費用全額が支給されます。去年は社員約50人中15人がこの制度を利用したそうです。
制度を利用した社員は
実際に去年制度を利用した、まもなく入社3年目・鴫原直希さんのお話です。
アイザック株式会社 鴫原直希さん
去年発症して、鼻水が止まらなくなっちゃいますね。鼻をかむ時間もそうですし、それに気を取られて集中できないのはあるかなと思います。会社の代表から「花粉症の時期に仕事のパフォーマンス落ちてるね」と言われて「こういう制度があるので使ってみない?」というので使ってみました。

鴫原さんはこの制度を使って、今年は石垣島に行くそうです。他の社員からも「平日は集中して作業、休日は観光と、メリハリができて、最高契約数が達成できた」という声もあって、花粉症対策だけでなく、それ以上の生産性が上がったという成果も出ているということです。
テレワークができる仕事も限られてはいますが、企業側にも社員にもメリットがあるこの制度、広がる可能性もあるかもしれません。