去年の秋に、カメムシ大量発生したというニュース覚えている方もいるかと思います。
そのカメムシが今年の春も大量発生していたり、これから大量発生が予想されていたりするんです。
果樹園を営んでいる方も大変困っているんですが、住宅にも被害をもたらしています。
都内に住んでいる番組スタッフの自宅のベランダにもくるそう。困るのはやはりそのニオイ。下手に刺激すると臭い分泌液を出します。家のベランダや、洗濯物にくっついてしまい、そこでニオイを発すると大変なことに。
↑ 被害を訴えるスタッフ↑
なぜこのような事態になっているのか、その道のプロに聞いてみました。
お話を伺ったのは、害虫防除技術研究所代表で、医学博士の白井良和さん。
Q:大量発生の理由と、発生の多い地域は?
・エサが豊富にあるということ。
・冬の気温が高く、越冬する個体が多くなり、春からカメムシが多くなっている
・印象としては、大阪・兵庫で昨年9月に多かったのをみると、西日本が多い。
・ただし千葉県も多く、程度の差はあっても全国的に増えているのは確か。
カメムシは、自らの生命の危機を感じると敵に対して威嚇や防御の目的で分泌液を出すのだそうです。また、仲間に対して危険を知らせる“警報フェロモン”としての役割もあるとか。
その際に、アルデヒド類という成分を発して、それが悪臭の原因。
密閉された容器に閉じ込めると、ストレスを感じて分泌液を出し、なんと自分や仲間の出すそのニオイで死んでしまうことがあるそう。
なぜベランダや洗濯物に寄ってくるのか。
それは寒さが苦手で暖かいところを求める虫だからだそうです。日光であたたかくなったベランダや洗濯物はカメムシが好む場所なんです。また、夜は明るい場所に近寄る習性があり、白い洗濯物の明るさも要因のひとつである可能性があります。
▼都内でも、隣の駅の1キロも離れていない地域に住むスタッフBの自宅には発生しておらず、何か発生しやすい条件があるのでしょうか?白井に伺うと「果樹園や杉やヒノキが近いなど、エサが豊富な場所に近いと発生しやすい」とのこと。
また、スタッフBの自宅は1階でそれほど日当たりがよい場所ではないことも関係しているかもしれません。
Q:対策はどのようにすればいい?
・マルカメムシは洗濯物やベランダにいたり。シマナガカメムシは1階の家のまわり。
・クサギカメムシは2階やベランダ。
・カメムシは暖かい場所に入ろうとするので、網戸まわり、窓枠など開け閉めするところから入りやすい。網戸をしっかり閉める。
・網戸に殺虫剤をかけてよりつかせないようにしたり、殺虫する。
・ピレスロイド系は昆虫全般に効くが、特にカメムシ用として開発されたものがおすすめ。
やはり、ベランダや窓まわりを注意すべし、とのこと。殺虫剤などの有効成分として白井さんが注目しているのが「ピレスロイド系の成分」。「ピレスロイド」には、殺虫成分・忌避の効果もあるそうです。
対策グッズをご紹介
まずは寄せ付けないことが大事ですので、網戸などにスプレーして虫よけできるもの。
・フマキラー「虫よけバリア アミ戸 窓ガラス ワンプッシュ」

網戸や窓硝子にスプレーするだけ
虫よけ効果は、およそ3ヶ月持続
虫に直接スプレーして駆除することもできます。
こちらは白井さん言っていた有効性成分「ピレスロイド」が使われています。
税込み1,078円
殺虫成分が気になるという方には、天然の虫よけ成分を使った忌避剤。
・ウエ・ルコというメーカーの「紙でつくったハッカの虫よけ」

こちらは、ベランダや玄関などにつるすタイプ。
対象となる虫は、カメムシ・ユスリカ・チョウバエ
ハッカ精油とゼオライト鉱石を使っています。
ケースに耐水紙を使用しているので環境にもやさしい
およそ120日間使えます。
税込み498円。
Q:それでも、カメムシが発生してしまったとき、どのすればいい?
・個人的には、家の中に入らなければいいので、ベランダものはたたきつぶさず追い払うのがよい。
・家の中に入ってきたら、殺虫剤、または、空のペットボトルや瓶に入れて排除する。
・ティッシュや粘着テープで排除するという方もいますが、カメムシにあたるのでニオイが出る可能性がある。
・手につくとニオイがなかなかとれないので気をつけてほしい。石けんでもとれない。
・触らない状態で閉じ込めて外に逃がしたり廃棄することになる。
とにかく、直接触れないように、刺激しないように排除することが大事。身近にあるものでできるひとつ方法としては、空のペットボトルの底を切って、その中に入れて排除する方法。
白井さんおすすめの殺虫スプレーをご紹介します。
・住友化学園芸「不快害虫剤 カメムシアタッカーEX」
新しい「ピレスロイド」の成分が入っていて効果が期待できるとのことです。
税込み1,540円。人気で売り切れのお店も増えているそうです。
・白井さんのおすすめ、もうひとつが、「アースガーデン カメムシ撃滅」
殺虫成分を使わずに退治する商品もあります。
・アース「カメムシコロリ」

寒さに弱いカメムシの特性を利用し、ニオイを出すスキを与えずに駆除ができます。
冷却成分がカメムシの神経の伝達作用をするオクトパミンの働きを瞬時に止めて、食品にも使用されている有効成分の「ベンジルアルコール」でとどめをさします。
殺虫成分を使用しておらず、速乾性なので、洗濯物やお布団にも使えます。
遠くまで届かせる「大砲ノズル」がついています。
税込み840円。
これらのグッズは、ドラッグストア、ホームセンター、ハンズ、ドンキホーテ、ビックカメラなどの量販店、オンラインストアで購入できます。
今回、番組スタッフが商品を探してみて、ホームセンターや量販店の方が見つかりやすいように感じました。「とにかく確実にほしい!」という方はオンラインストアがオススメです!
このカメムシ、いつまで発生するのか聞いたところ・・・
「冬になるとおとなしくなるので10月11月くらいまで注意が必要」とのことでした。
家の近くでみかけたことがある方は、しっかり対策しましょう!