8月17日のゲストコーナー『「あ」の人』には、今最もアツイ映像作品『地面師たち』の監督で映像ディレクターの大根仁さんをお迎えしました!『地面師たち』は、Netflixで配信されて3週間以上経った今も、日本の「今日のTOP10」で1位をキープ(※8月17日現在)!そんな話題沸騰の作品の貴重な裏話、必聴です!

リリーさんの名シーンは「夏はキツイ」から!『地面師たち』の大...の画像はこちら >>

『地面師たち』とは、土地の所有者になりすまし、勝手に土地を売却して買い主から大金を騙し取る詐欺師。実際にあった事件もありました。

小説家の新庄耕さんが書かれた小説『地面師たち』(2019年)を、綾野剛さんと豊川悦司さんのW主演で大根仁さんが実写化。100億円の市場価値を持つ、希少な土地に目をつけた地面師グループ。あらゆる手段を使って、前代未聞の巨額詐欺を成功させようとしていく…!

リリーさんの名シーンは、「夏の撮影キツイ」から爆誕!

話題は、息を呑むあのシーンの裏話へ!豊川悦司さん演じる地面師グループのリーダー「ハリソン山中」と、リリー・フランキーさん演じる警部「辰さん」とが対峙するあのシーンは、実はリリーさんの一言がきっかけで…?!

井上:ちょっとね、メールも来てまして。ラジオネームゆりこさんからいただきました。「今週早速見ました。じっくり見ようと思っていたのですが、続きが気になりすぎて一気に全て見てしまいました。どのキャラクターも存在感があって魅力的で惹きつけられました。私が一番手に汗握ったのは、ハリソン山中と辰さんのシーンです。『ダイハード』の話が伏線となり、あの展開になると思いもしなかったです」と。警察ですね、辰さん。

大根:原作からいろいろ改変したんですけども、大きく変えたのは2つあって。えーと、綾野剛がホストに扮してホストクラブに潜入するっていう。あの設定、(原作には)ないんですよ。

もう1つが、リリーさん扮する辰さんが…どこまで言って良いんですかね(笑)、途中であることが起きるっていう。あの設定もなくて。エライザ(※池田エライザさん)の若い女性刑事キャラクターもなくて。でも、去年夏ずっと撮影してたんだけど、リリーさんがさ、キャスティングした時点で「夏の撮影、キツイんだよなあ…」って(笑)「なんか途中でさあ…」みたいなことを言い出して。

井上&犬山:えー!?

リリーさんの名シーンは「夏はキツイ」から!『地面師たち』の大根仁監督語る

井上:え、じゃあ、最初の構想では…言えないけど。それで変わるんだ。

大根:だからあの4話の後半で、金額の交渉を綾野剛とピエール瀧さんがしていて、その裏では、リリーさんこと辰さんとハリソン山中が命の交渉をしてるっていう。だから金額の交渉と命の交渉をしているっていう。

井上:そういう対比なんだ。

大根:そうそう。シーンバックっていうんですけど、専門用語で。あそこはなんか我ながら書いてても面白かったし、最終的にはよくできたなと思いますね。

そして、犬山さんの「小池栄子芸能界最強説!」

『地面師たち』には、個性的で魅力的なキャラクター達が登場しますが、その中でも犬山さんが推したいのは、小池栄子さん演じる「手配師・麗子」!

リリーさんの名シーンは「夏はキツイ」から!『地面師たち』の大根仁監督語る

犬山:私、それぞれのキャラクターがもう魅力的過ぎて!「スピンオフ見たい!」になるわけですよ。私もう、麗子のスピンオフ見たい!小池栄子さん、本当にすごい方ですよね。

大根:小池栄子さん、そうですよね。僕、”芸能界最強プレイヤー”の一人だと思ってますけどね。ドラマ、映画、芝居が素晴らしいんですよ。バラエティーの印象がすごい強いと思うんだけども、元々グラビアで出てこられて、バラエティーで活躍するようになって。芝居、ドラマ、映画、バラエティー、バラエティーの中でも、結構難易度の高いコントもできる。あと、経済番組の司会。村上龍の横で。村上龍がやる気がないときは、小池栄子が仕切るっていうね(笑)
で、まあね、バラエティーのアシスタント的なことをやったときの対応力とか、アドリブの返しとか、めちゃくちゃうまいし。

井上:普通そういうのって、司会業とかやってる方って演技がちょっと苦手だったり…

大根:うん、それ見てる側の印象で、やっぱバラエティーとか司会って印象が強いから、その人が映画とかドラマで芝居をやったときに、やっぱその人で見ちゃうっていうのがあると思うんだけど、栄子ちゃんはなぜか芝居やってもちゃんとキャラクターに見えるというか。あと、本人がまずめちゃくちゃ人間力が高い。

めっちゃいい奴。チャキチャキの江戸っ子で、きっぷがいい姉さんみたいなとこもあるし、世話好きだし。普段話してても、もう会話の返しとかも頭も良いし面白いしみたいな。

犬山:プライベートで話してても面白い…

大根:うん、面白い。瀧さんとも話してたんだけど、小池栄子って何かある種の神なんじゃないかと。

犬山:いやでも実際に、『地面師たち』でも、そう見える瞬間が。

大根:うん、だから栄子ちゃんがあの格好で現場に来るたびに俺、手を合わせてたもんね。ありがたやって。なんか菩薩的な雰囲気もあるしね。だからね、今回のキャスティングはもうほぼ自分の中では100点満点ですけど、やっぱり女性がどうしても少ないので、そこで栄子ちゃんをつもれたのは、本当に大きいですね。

井上:小池栄子さんの演技の中で、「ここが一番」っていうのは…

大根:やけに食いついてますけど。小池栄子が好きなんですか(笑)

井上:いや、好きですけど、振り幅がすごいですもん、演技からバラエティーから…

大根:えっと、6話の頭で、豊川さんと強烈な絡みをするシーン。

あそこは原作にはないシーンで。豊川さんと小池栄子ちゃんって、もう20年前ぐらい前に『接吻』(2008年)という映画で共演してて。その2人のやり取りがね、めちゃくちゃいいんですよ。これが小池栄子を最初に女優として意識した映画なんですけども。ほぼ2人しか出てこない。その再現ではないんだけど、関係性が違うから。この2人の良いシーンを作りたいなというふうに思いましたね。

リリーさんの名シーンは「夏はキツイ」から!『地面師たち』の大根仁監督語る

TBSラジオ『井上貴博 土曜日の「あ」』より抜粋)

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