イギリスには、ストーンヘンジより遥か前に完成したストーンサークルがあります。それが「オークニー諸島の新石器時代遺跡中心地」にある「ストーンズ・オブ・ステネス」です。
北の果てにある巨石群
スコットランドの海岸から15km北にいったところにあるオークニー諸島は、70もの島で構成されています。その中のメインランド島に、世界遺産の「オークニー諸島の新石器時代遺跡中心地」があります。
そこで、「ストーンズ・オブ・ステネス」と呼ばれるのが、こちらの遺跡です。

これが紀元前3100年頃のものだと信じられるでしょうか。この100年後に着工がはじまり、紀元前1500年頃に完成したというストーンヘンジのようなプリミティブな雰囲気はありません。薄く切り出され、上部が斜めに仕上がっている感じが、現代のモニュメントのように見えます。
もともとは、12本の石が立っていたとされますが、今は4本になっています。最大6mの石が直径約30mの環状に置かれています。真ん丸でなく、楕円を描いています。今はもう見えないのですが、かつてストーンサークルの周囲には少なくとも幅4m、深さ2mの堀があったと言われています。
中央にも石があり、そこで火が焚かれました。
辺境にそびえたつ巨石群。あたりには、神々しくも一種異様な雰囲気が漂っているそうです。

Stones of Stenness
Stromness KW16 3JZ
この地にあるその他の遺跡群
「オークニー諸島の新石器時代遺跡中心地」は4つの遺跡で構成されています。「ストーンズ・オブ・ステネス」以外のものを紹介しましょう。

リング・オブ・ブロッカーという、もうひとつのストーンサークルです。

スカラ・ブレイと呼ばれる、集合住宅の遺跡です。

4500年以上前につくられた、世界最古の古墳である「メイズハウ」。
断然ストーンズ・オブ・ステネスに惹かれるのは、みなさんも同じでしょうか。
参考
[Unesco]
[HISTORIC ENVIRONMENT SCOTLAND]
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