ジョニー・デップの本名はJohn(ジョン)、イギリス王室ハリー王子の本名はHenry(ヘンリー)というように、外国人は有名人に限らず本名と日ごろ使っている名前が違うということがよくあります。わかりにくい外国人のファーストネームの仕組みを解説します。

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本名?略称?通称?わかりにくい外国人の名前
知らないと損をする英会話術79:外国人のファーストネームの秘密に迫る!

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ハリウッドスター、ジョニー・デップの本名はJohn(ジョン)、イギリス王室ハリー王子の本名はHenry(ヘンリー)と外国人のファーストネームでは、本名、略称、そして実際に日ごろ使われている通称などとても複雑でわかりにくい!今回は、日本での感覚ではわかりにくい外国人のファーストネームについて、ひも解いていきたいと思います。
英語の略名リスト【初級編】
知らないと損をする英会話術79:外国人のファーストネームの秘密に迫る!


まずは、本名から予想がしやすい代表的な英語の略名を見ていきましょう。クリストファーをクリスと呼ぶように短くすることで呼びやすくするなどが特徴です。

例)Christopher(クリストファー)→ Chris(クリス)
David(デービッド)→ Dave(デイブ)
Michael(マイケル)→ Mike(マイク)
Benjamin(ベンジャミン)→ Ben(ベン)
Elizabeth(エリザベス)→ Liz(リズ)もしくはBeth(ベス)
Catherine(キャサリン)→ Kate(ケイト)もしくはCath(キャス)
英語の略名リスト【予想困難、中級編】
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アメリカの元大統領ビル・クリントンの本名はWilliam(ウィリアム)のように、全く予想ができないのに海外では、一般的となっている略名がいくつもあります。

John(ジョン)→ Jack(ジャック)
Henry (ヘンリー)→ Harry(ハリー)
Robert(ロバート)→ Bob(ボブ)
Richard(リチャード)→ Dick(ディック)
Alexander(アレクサンダー)→ Sasha(サシャ)
William(ウィリアム)→ Bill(ビル)

ジョンをジャック、ヘンリーをハリーにするように、特に「呼びやすくなっている」わけでもなく、日本人には理解できない略し方も多くあります。また一方で、ハリー王子、タレントのハリー杉山、どちらもヘンリーが本名ですが、ハリー・ポッターはハリーが本名というような場合もあります。これはもう「そういうものだ、おもしろいな」と思って納得することをおすすめします。
よくある略名や通称のルール
外国人のファーストネームについて、いくつか一般的に覚えておくとよいことをご紹介します。ただし「個」の意志を強く尊重する海外では完全にケースバイケース。もはやルールがないことがルールと思って、この限りではないことをご承知ください。
たいていは生まれたときに親(もしくは家族)が決める
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たとえばElizabeth(エリザベス)という名前には、Liz(リズ)、Beth(ベス)、Lizzy(リジー)などいくつもの略名(もしくは愛称)を使うことができます。ほとんどの場合は、生まれたときに(もしくは小さいうちに)ご両親が「エリザベスが本名でLiz(リズ)と呼ぼう」と決めていることが多く、特に本人に異議がない場合は、学校、職場と成長する過程でもLiz(リズ)と名乗ることになります。


ごくまれに本人の意志で、Lizではなく本名のElizabeth(エリザベス)で呼ばれたいと強く思ったときには、学校や職場などでもElizabethのみを使って生活するという人もいます。同様に本人の意志で、人生のどの時点でもファーストネームを変えることができます。
略名は正式名として通用する
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アメリカ元大統領ビル・クリントンが正式な文章にもすべてウイリアムではなくビルとサインしていたように、略名はほとんどの場合「正式名」として通用します。略名は「生まれたときにつけられた名前(正式名)」とは違うというだけで、一個人の正式な名前というような認識です。

また、わかりにくいことに略名(もしくは愛称)をどこまで正式に使うかは本人次第です。そのためイギリスでは、例えば学校や職場の登録フォームなどには必ず、名前を書く欄とは別に「どう呼ばれたいか?」を記入する欄があります。
略名自体が正式名のこともある
ハリー・ポッターはハリーが正式名という例のように、ジャックはもともとはジョンの略名でしたが、現在ではジャックが本名という人もたくさんいます。また、ハリー王子とメーガン妃の長女Lilibet(リリベット)も、もともとはエリザベス女王の愛称とのことですが、Elizabethが本名ではなくLilibet自体が正式名となっています。
略名とニックネームは別!
海外では、よほどフォーマルな場合を除いて初対面の人でもファーストネームの呼び捨てが一般的です。ただし、気を付けたいことがあります。それは勝手に略名で呼ばないこと!

例)I’m Thomas. Nice to meet you.
私はトーマスです。はじめまして。


Hello, Tom. Nice to meet you.
やあ、トム。はじめまして。

「トーマス」と自己紹介した人に対して「トーマスってことはトムが略名」と勝手に決めて、相手の許可なしに「トム」と呼ぶのはとても失礼なんです!

人によっては「トーマス」としっかりフルで呼んでもらいたいと思っている場合や、Tommy(トミー)を略称に選んでいることもあり得ます。

私の個人的な経験ですが、David(デービッド), James(ジェームス), Anthony(アントニー)のような広く一般的な名前の人たちほど「略名なしで呼ばれたい」「Jim(ジム)とは呼ばれたくない」「Ant(アント)はいいけどTony(トニー)はいや」のような、こだわりが強い傾向があります。
「何て呼んだらいいですか?」が丁寧
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では、親しくなりたい場合や失礼のないようにする場合には、どう会話を始めたらよいでしょうか?

例)Hi, I’m James. 
こんにちは、私はジェームスです。

Hi, James. Nice to meet you. What do you want to be called?
やあ、ジェームス。はじめまして。何て呼ばれたいですか?

James is fine, but my friends call me Jimmy.
ジェームスでもいいんだけど、友達にはジミーって呼ばれています。

ファーストネームで呼び合うことが当たり前の海外では、スペリングを含め略称はとても大切なものです。相手の名前を覚えること、もしくは覚えようと努力することがコミュニケーションの大切な一歩ともいえます。

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