4月3日、宮崎市のグラウンドに雷が落ち、遠征で来ていた熊本県立鹿本高校のサッカー部員18人が病院に搬送されるという、痛ましい事故が発生した。



「10日現在、このうちの1名は今も意識不明で治療を受けています。

落雷の日は、現場は小雨だったものの晴れ間も見えて、危険を予知するのは難しい状況だったとのことです」(全国紙社会部記者)



真夏8月のイメージがあるが

 雷のシーズンといえば、真夏である8月のイメージがあるが、一年を通じて気をつける必要があるのだ。



「日本海側では大気の不安定な冬場に雷が発生しやすく、太平洋側では寒暖差が大きい4月も落雷事故が多発しています。また、昨今の異常気象で、いつ、どこで、稲妻が走ってもおかしくありません。雷は直撃すれば致死率80%。最も憂慮すべき自然災害と言えるでしょう」(気象予報士)



 生命を脅かす天災から身を守るには、どうすればいいのか。



災害危機管理アドバイザー和田隆昌が解説

 防災士で災害危機管理アドバイザーの和田隆昌氏が解説する。



「(1)まずは外出しないこと。直撃を受ければ死亡率は非常に高い落雷ですが、気象技術の進歩により、『雷レーダー』や『雷ナウキャスト』などといった気象サイトで事前に発生予測情報を得られます。気象の変化に注意して、発生時には外出しないことが一番ですね」



 外出時に雷が発生した場合、どう対処すればよいか。




外出時の対策

「リスクは低いですが、市街地の場合、住宅の軒下から壁を伝わって電気が流れることもあります。(2)必ず室内に避難しましょう。また、ビルには避雷針があるために落雷のリスクはほとんどありませんが、やはり、壁伝いに電気が流れてくるケースもあるので、屋内に入るか、(3)ビルから4メートル以上離れることを推奨します」(和田氏)



 雷が物体を通じて流れてくるというのは、自然物にも該当する。



「木の下の雨宿りも、落ちた雷が樹木の幹を離れ、近くにいる人や物を通って、地面に逃げる“側撃雷”という現象で被害を受ける可能性があるので、高木からも4メートル以上離れたいところです。周囲に雷雲があるような場合は(4)姿勢を低くし耳を塞いで“雷しゃがみ”をすることでリスクを下げることができます」(前同)



 また、屋外での落雷対策として電位差を利用したものがある。



「雷が地面に流れると周囲の大地電位が上昇し、地面に接する両足間に電位差が発生するので、感電する可能性があります。(5)両足を閉じて歩幅を小さくすることで電位差の発生を抑えることができます」(アウトドア専門誌ライター)



車やバス、電車、飛行機などの乗り物では

 首尾よく安全な屋内に避難することができても、油断は禁物。



「車やバス、電車、飛行機などの乗り物では例え直撃したとしても、外部を雷が流れるため安全です。屋内は基本的には安全ですが、まれに電線やアンテナなどから室内に入り込み、電気機器に伝わるケースもあります。

プラグを抜くことで被害を防げます」(前同)



 神出鬼没の雷から命を守るため、気を配りたい。