Credit: Jack Forman
市販の3Dプリンタの多くは、熱可塑性樹脂のフィラメントを高温で溶かして層を形成する「熱溶解積層法」を採用している。この手の3Dプリンタでは、ノズルヘッドの速度と押し出される材料の量を調整して均一にする必要があるが、この難点を逆手にとったプリント技法が開発された。MITメディアラボの研究者は、3Dプリンタの押し出し不足を利用して、薄くて柔軟なテキスタイルをプリントアウトする技術を開発。「DefeXtiles」により、立体的なオブジェクトが形成可能だ。
最大70mの材料が扱える

Credit: Jack Forman
DefeXtilesでは、熱可塑性フィラメントに発生する糸引き動作を活用してテキスタイルに切り込みを作成。これが伸縮性と柔軟性を与える。材料は0.4mm未満と非常に薄く、高密度に梱包して印刷可能。1回のプリントで最大70mの材料が扱えるという。
これにより、フルサイズのスカートをそのままプリントアウトすることも。デザイナーのプロトタイプ制作やユーザーの試着なんかに役立つ。
最高速度12m/分でプリントアウト

Credit: Jack Forman
研究者はDefeXtilesのデモで、実際にフルサイズのスカートをプリントアウトしている。スカートを垂直方向にセグメント化し、入れ子にして、プリンターの高さ制限内に収まるように。最高速度12m/分でテキスタイルがプリントアウトされ、これを広げて縫い目を熱接着することでスカートが完成した。これ以外にも、形を確認するためのミニチュアの衣服や複雑なレース、耐久性の高いバドミントンのシャトルなどが制作できたようだ。
丈夫な構造や繊細なデザインの適用にも向くDefeXtilesは活用範囲が無限大。
参照元:DefeXtiles: 3D printing quasi-woven textiles via underextrusion/ MIT Media Lab