フォークソングからニューミュージック、そしてJ-POPへと変遷する音楽界に“柱”として存在し続けるユーミン。しかし、その彼女も歌を始めた頃は声がコンプレックスだったという。4月25日に自身のラジオ番組『松任谷由実のYuming Chord』(TOKYO FM)でそのことに触れている。
6歳からピアノを習ったユーミンは、11歳で三味線、14歳からベースを始めるなど早くから音楽で才能を開花させている。14歳の時にはプロとしてスタジオでピアノを弾き、曲も書き始めた。
自身の声について「変わった声なのでコンプレックスもあった」というから、歌よりも楽器奏者や作曲・作詞家を目指したのかもしれない。それでも歌を始めた頃には、キャロル・キングやローラ・ニーロ、ジョニ・ミッチェルなどを好み「特にキャロル・キングは『ちりめんビブラートっぽい、同じ声質だな』と勇気をもらった」そうだ。
1972年、多摩美術大学に入学した彼女は7月5日にシングル『返事はいらない』で荒井由実としてデビューするが、鳴かず飛ばずだった。だが、翌年の11月にファーストアルバム『ひこうき雲』を発売するとラジオ番組で人気に火がつく。
その『ひこうき雲』を作る際に“ちりめんビブラート”を「それを消した方がいい」とプロデューサーから指摘されて矯正することになる。
ユーミンは「女性の方が男性よりもホルモンの関係で大人になってからの変化が激しいようだ」とその後も声質が変わリ続ける要因を分析している。自身の声には“倍音成分”が多かったが、ツアーなどで歌い続けるうちに声質をコントロールできるようになり、“倍音成分”が少なくなってきた。「それを嘆く人もいるにはいるが、だって、人は進んでいかなくちゃならない。今の声をもっと包み込むような感じにすべく努力している」と語った。
そんな彼女の努力を知ってか「先日、美意識の面でも信頼する人物が『今のその声が好き』と言ってくれた」と嬉しそうに話すユーミン。「これからも変化していくと思うが、その時その時の声を好きでいてもらえたら嬉しいし、自分でも好きになっていきたい」と決意を明かしており、まだまだ進化は続きそうだ。
※画像はYouTubeのスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)