1999年11月にCDデビューした嵐がまだゴールデン枠の冠番組を持たなかった頃、石橋貴明と当時SMAPのリーダーだった中居正広がMCを務める『うたばん』に出演して、大野智と中居による“下剋上コント”を繰り広げて評判となった。VTRで当時のコントをいくつか振り返ったところ、2003年2月20日放送回では中居が嵐の皆に向けてトークしていると、大野だけ石橋とひそひそ話しているので「おい大野! 聞いてるのか!?」と注意した。すると大野が石橋に耳打ちされた通り「中居君にだってカッコ悪い時もあるよな?」と聞かれて「普段がカッコ悪いからな」と答え、中居が「大野! コラ!」と掴みかかろうとするのを嵐メンバーが必死に止めるという寸劇風コントだ。
櫻井翔はその“下剋上コント”のおかげで、2000年前半のまだ嵐がそんなに広く知られていない時に「あのコントを楽しみにしてくれた人や、ファンになってくれた人がすごくたくさんいた」とターニングポイントになったことを感謝していた。当の石橋は口数の少ない大野智に「匂い」を感じて「角度を変えてみたら面白くなるんじゃないか」と台本になかった“下剋上コント”を思いついたことを明かしており、櫻井は「大野じゃない他のメンバーだったらしんどかったと思う。
そんな石橋貴明が『うたばん』で資質を見抜き、キャラクターを設定したりあだ名をつけていじったことで知名度を上げたアーティストは少なくない。たとえば出演時にはすでに人気があったモーニング娘。で後藤真希や安倍なつみといった人気メンバーの陰に隠れがちだった保田圭がその1人だろう。妖怪・子泣き爺のようなキャラを考えられて「保田大明神」として祀られ、CGを駆使した映像とともに石橋からいじり倒されたものだ。
保田圭は2003年にモーニング娘。を卒業した後、タレント活動を続けるなか2013年にイタリア料理研究家と結婚。2018年1月に第1子が誕生した。2015年5月に先生役で出演した『しくじり先生俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系)では「モーニング娘。内で居場所が全くなかった」と不遇だったことを明かしつつ、オンエア後にブログで「自信のない私に居場所をくれた」1つに「私を保田大明神にしてくれた『うたばん』に助けられた」ことを補足していた。
T.M.Revolution(西川貴教)は1997年4月放送の『うたばん』に出演してギター漫談家の堺すすむに似ているといじられるとよほど馬が合ったのか、それから何回も登場して「堺すすむにそっくり」なイメージを定着させて注目を集めた。しかもその年にリリースした5枚目シングル『HIGH PRESSURE』、6枚目シングル『WHITE BREATH』が大ヒットとなり同年のNHK紅白歌合戦に初出場したのである。ネット上では2011年1月にT.M.Revolutionへ向けたバレンタインメッセージで、「私はハイプレをリリース後に『うたばん』であなたを見てからず~っとFanです」という声が見受けられたことからも『うたばん』の影響で人気が高まったことがうかがわれる。
このたび石橋貴明が『櫻井・有吉THE夜会』のオンエア前にTwitterで「櫻井君とじっくり話しました。大人の男になってましたね!」と告知していたところ、視聴者から「タカさん、ありがとうございます。
画像1、4枚目は『石橋貴明 / Takaaki Ishibashi 2020年5月5日付Instagram「#石橋貴明ステイホームプレミアム」、2019年7月2日付Instagram「やぐっちゃんも来てくれてありがとね」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)