12月9日に配信開始したNetflix映画『浅草キッド』に、ビートきよし役で出演している土屋伸之(ナイツ)の演技力が高く評価されている。同作品の脚本、監督を担当した劇団ひとりは、ラジオ番組で「(俳優として)重宝されるんじゃないかな、これから」と土屋の新しい可能性に期待していたが、土屋本人は演じる側として相当苦労したようだ。


映画『浅草キッド』は、柳楽優弥が演じるタケシ(ビートたけし)と大泉洋が演じる師匠・深見千三郎との師弟愛が描かれている。10日放送のラジオ番組『JUMP UP MELODIES TOP 20』(TOKYO FM)にゲスト出演した劇団ひとりによると、同作品で絶対にタケシとキヨシの漫才を成立させなければならなかったが、ドラマ『べしゃり暮らし』(2019年)で役者にリアリティーのあるお笑いシーンをやらせるのに大変苦労した経験があった。土屋伸之とのスケジュールが合わず、柳楽にはずっとツービートの漫才の稽古を助監督と一緒にやってもらっていたが、監督としては「イマイチだなぁ」と感じていたという。しかしやっと土屋が現場に入り、柳楽と合わせてみると漫才シーンが一気に良くなった。土屋が彼を引っ張り漫才のリズムが出てきて、劇中に役者が演じる漫才ではなく、舞台でプロが見せる本物の漫才っぽく仕上がったのだ。

タケシの相方・キヨシにはプロの漫才師であること、そして浅草の匂いがあることで土屋の起用を決めたのだが、劇団ひとりは正直なところ彼の演技力にはあまり期待していなかったという。
しかし予想に反して土屋の演技は自然で、キヨシとしての漫才も全く違和感がなかった。『JUMP UP MELODIES TOP 20』のパーソナリティを務める鈴木おさむ氏も、「何もしないスタイルが絶妙だった」と彼の演技を絶賛していた

13日放送のラジオ番組『高田文夫のラジオビバリー昼ズ』(ニッポン放送)では「浅草キッドスペシャル」と題し、ナイツの2人と大泉の対談のもようが流された。大泉が「柳楽君はあの漫才をできるようになるまで、ものすごく努力してる。言ってましたよ、“土屋さんが来てくれて、本当に助かった”って」と褒めたところ、「僕もできなかったんですよ、ツービートは早すぎて」と土屋自身も相当苦労したと明かす。劇中ではツービートの漫才をほぼ完コピしている。
撮影現場では「このスピード感は、この間尺に合わない、無理」と思ったが、柳楽は見事にやってのけたのだ。実は撮影中、テンポが早すぎて土屋が何回かセリフを飛ばしたことがあったが、それでも柳楽は何事もなかったようにその部分を飛ばして漫才を続けてくれたという。難関だった漫才シーンで、実は土屋の方が柳楽に頼っていたというのだ。


そして大泉が「改めて見ると、きよし師匠のツッコミはいいんですよね」と語ると、ナイツの2人も「子供の頃は気づかなかったけど、間とか絶妙」「たけしさんの邪魔をしないようにツッコむ、ツービートの漫才に合っている」と同意している。たけしの相方やコンビを組んでいた時代を知らない若者も多いだろうが、今回の『浅草キッド』を見て、高速で捲し立てる毒舌漫才で一気にスターダムにのし上がったツービートの漫才を楽しんでほしい。

画像2、3枚目は『ナイツ土屋伸之 2021年12月7日付Instagram「#Netflix映画」』『ラジオビバリー昼ズ 2021年12月13日付Twitter「このあと11時30分からは#高田文夫 と#松本明子 のラジオビバリー昼ズ」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 みやび)