アプリを利用した注文で迅速な配達を可能にしたインドの食料雑貨宅配サービス「ブリンキット(Blinkit)」。配達時間は10分以内と言われ、必要な時に必要な品を届けてくれると人気である。そんなサービスを利用した男性客が今月3日、「最も不快な経験をした」とTwitterに投稿して注目を集めた。インドのネットメディア『NDTV.com』などが伝えている。

インド在住のTwitterユーザー「ニティン・アローラさん(Nitin Arora)」が3日、「食料雑貨宅配サービス『ブリンキット』で購入した食パンの袋の中に、生きたネズミが潜んでいた」と訴えた。

ニティンさんはTwitterで、灰色のネズミが入り込んだ食パンなどの写真と動画を公開、「最も不快な経験」と明かし、こう説明した。

「生きたネズミが、2023年2月1日に注文した食パンの袋に入って配達された。これは私たちみんなが憂慮すべきこと。もし10分の配達でこんな問題が起きるなら、商品受け取りまで2、3時間待ったほうがましだよ!」

なおニティンさんは動画の中で、ネズミが侵入したと思われる食パンの袋の穴や、一部がかじられてボロボロになった食パン、そして袋の中でうごめくネズミを映し出し「これがブリンキットが提供する“質”だよ」と皮肉めいた言葉を放っている。

また投稿した写真のうちの1枚は大型看板が写されたもので、ネズミ入り食パンの隣には「パンを注文すれば、ネズミが届きます(Bread mangoge to chuha milega)」「たった10分でネズミ入りの食パン(Bread with chuha in just ten minutes)」と言葉が添えられている。


ブリンキットは今年初め、大型看板広告を使ったマーケティングを行っており、これは当時のキャッチコピー「ミルクを注文すれば、ミルクを届けます(Doodh mangoge, doodh denge)」をもじり、痛烈に揶揄したもののようだ。

さらにニティンさんは、カスタマーサービスとのやり取りをスクリーンショットにして投稿、担当者が「懸念する事態」と述べて謝罪する文章が並べられた。

ちなみにこの投稿には、「こんなことってあるの?」「これは最悪」「衛生管理はどうなっているの?」「たんぱく質が豊富なパンになったわね」「食品安全機関は配達店の定期的な立ち入り検査を行っているのかしら?」といった声のほか、ニティンさんの投稿自体を疑う次のようなコメントも寄せられた。

「配達した人はネズミに気が付かなかったわけ?」
「これは本当なの?」
「ネズミにとって袋から出るのはそんなに大変なことではないと思うけど?」
「SNSでの人気を集めるための嘘では?」

そしてこのほかにも「私も同じような経験をした」「以前、苦情を言ったが相手にしてもらえなかった」という声が殺到、ブリンキットのカスタマーサービス統括責任者ダナンジャイ・シャシッドハラン氏(Dhananjay Shashidharan)はTwitterで謝罪した。

同氏によると、ニティンさんが利用した店舗の調査は継続中とのことだが、すでにパートナー契約を打ち切っているそうで「我々は全ての店に高い衛生基準を求めています。この一件以来、店舗の監査の回数を増やして対応にあたっています」と述べている。



画像2、3枚目は『Nitin Arora 2023年2月3日付Twitter「Most unpleasant experience with @letsblinkit」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)