ジャニーズ問題については、ジャニー喜多川氏による性加害が断じて許せないことは衆目の一致するところだろう。しかし、これまで何度か被害者から告発があり、裁判にまでなりながらマスコミは長年にわたって大きく取り上げてこなかった。ところがここにきて「ジャニーズ叩き」を始めたため、SNS上で「こういう醜いまねをしてるテレビ局が一番の害悪」という視聴者の声まで見受けられた。
世間がそのように思うのも無理はない。
10月8日放送の『アッコにおまかせ!』でジャニーズ事務所の件を話題に取り上げた際、木村拓哉がインスタグラムで2日に投稿した内容を紹介した。
木村拓哉と言えば、ジャニーズ事務所が一度目の会見を行った9月7日に「show must go on!」と投稿して話題になった。この言葉は、ジャニー喜多川氏がよくタレントたちに言い聞かせていたという。木村は炎上したこともあって投稿を削除したが、今回は二回目の会見が行われた10月2日に「一歩ずつ、前に! PEACE!!」と投稿して注目を集めた。
和田アキ子だけではない。準レギュラーたちもジャニーズ事務所の話題はナーバスになっており、コメントするのに言葉を選んで四苦八苦している様子が伝わってきた。
それは番組の制作スタッフも同じなのだろう。
新会社の名称公募について聞かれたファンたちは「今後もファンと一緒に活動していくという面でいいのかな」、「ファンの皆が決めたものなら、いいセンスの名前が付くんじゃないかな」、「私たちファンもお金を出している身としては。スポンサーまではいかないけれど支えていきたいので、ファンの気持ちを汲み取ってくれるのは嬉しい」などと答えており、賛成する声ばかりだった。
被害者による「ファンの方たちに責任を渡してしまうみたいな見え方になると悲しい」という苦言を紹介した直後に、当のファンは社名を公募することに好意的だと言わんばかりの編集だ。
視聴者も違和感を覚えたようで、SNS上では「ジャニーズに対する忖度半端ない。
ちなみに、同日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ系)でコメンテーターを務めた田村淳(ロンドンブーツ1号2号)は、ジャニーズ問題を報じる量に比べて、メディアは自分たちがなぜ忖度してしまったのか検証する量が全然少ないと持論を展開。「各局はそうした検証番組をやるべきで、『ワイドナショー』もやった方がいいと思う」と提言していた。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)