中国在住の女性の両目から先月、60匹以上の生きた寄生虫が摘出された。寄生虫は目の表面で動き回っていたそうで、10年以上のキャリアを持つ医師でさえ「これだけの数は初めて」と驚いたという。
中国のニュースメディア『澎湃新闻』などが伝えた。

中国・雲南省昆明市の「普瑞润城眼科医院」で先月下旬、50代の女性の両目から60匹以上の生きた寄生虫が摘出された。女性は目にチクチクするような違和感があり、こすったところ糸クズ状の寄生虫が落ちてきたそうで、怖くなって同医院を訪れたという。


女性を診察したのは角膜疾患やドライアイが専門のグァン・ジェ医師(关洁)で、初期の検査で目の表面に多数の寄生虫がいるのを確認した。そして局所麻酔を行うと、顕微鏡で確認しながらピンセットで1匹ずつ寄生虫を摘出したそうで、当時のことをこのように振り返った。

「患者の瞼をめくると、白い糸くずのような寄生虫が蠢いているのが分かりました。
そして右目と左目からは、合わせて60匹以上の寄生虫を摘出しました。摘出には30分を要し、取り残しがないように十分注意しました。」

「私はこれまで2、3例ほど同様のケースを診てきましたが、寄生虫は数匹で、多くても10匹を少し超えるほどでした。今回のように60匹以上が摘出されるというのは極めて稀なことです。」


同医師によると、女性はショウジョウバエの仲間であるメマトイが媒介する「東洋眼虫症」に感染した可能性が高いという。

東洋眼虫は体長5~18ミリほどの白い線虫で、犬や猫などの目の表面に寄生して卵を産み、メマトイが涙液ごと幼虫を摂取し、動物の目から目へと線虫を運ぶという。人間にも同様の経路で感染するそうで、女性は飼っているペットが東洋眼中症に感染していた可能性があるようだ。

感染した初期は無症状のことが多いものの、女性のように多数の成虫が蠢くようになると激しい眼痛、目やに、結膜充血、違和感、飛蚊症などの症状が現れるという。



なお女性の目から摘出したのは全て成虫で、今も卵や幼虫が残存している可能性があるため、医師は患部を清潔に保ち定期的に検査を受けるようアドバイスしたそうだ。


ちなみに中国では2021年にも、34歳の男性の右目の瞼の裏から東洋眼虫が2匹摘出された。男性は農場に住み、犬を飼っていることから自宅で感染した可能性を指摘されていた。



画像は『澎湃新闻 2023年12月1日付「女子双眼取出60多条活虫,很多人都有这个习惯」(图源:澎湃新闻)』『The Sun 2021年9月20日付「EYE SORE Video reveals moment docs discover horrifying truth about ‘foreign body’ lodged in man’s eyeball」(Credit: nejm.org)』『捜狐 2023年2月24日付「可怕!男子眼皮有虫游走,多家医院无法治疗…」』『7NEWS 2021年9月3日付「Traveller’s horrifying find in EYE LID after returning from trip overseas」(Credit: New England Journal of Medicine)』『Daily Star 2020年10月26日付「Stomach-churning moment doctor removes 20 live worms from man’s eyelid」(Image: Newsflash)』『New York Post 2023年8月28日付「Worm discovered living in woman’s brain in world’s first case: ‘It’s alive!’」(CDC)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)