ウィリアム皇太子は2023年6月、ホームレスの救済を目的とするプロジェクト「Homewards」のローンチを発表した。皇太子夫妻が運営するチャリティ財団「ザ・ロイヤル・ファウンデーション」を通したもので、野宿やソファ・サーフィン(無料で自宅ソファを寝床として提供する)、その他の一時的な宿泊施設を過去のものとすることを目指したものだ。
そして今回発表されたホームレス用の住宅の建設計画は、コーンウォール地方を拠点とするホームレス支援団体「St Petrocs」とのパートナーシップによるものだ。
コーンウォールにある海辺の街ニューキーに24軒の住宅を建設し、地元のホームレスの人々に質の高い一時的な宿泊施設を提供する。また、居住者が職業訓練や雇用の機会にアクセスできるよう、「St Petrocs」が包括的なサポートを行う。
2022年9月にエリザベス女王が崩御してチャールズ3世が国王に即位した後、君主の長男ウィリアム皇太子は広大な土地コーンウォール公領(Duchy of Cornwall)を相続した。
コーンウォール公領は英国にある二つの王室公領のうちの一つで、代々君主の長男によって引き継がれてきた。土地と不動産、投資をまとめたもので、すべての資産は10億ポンド(約1890億円)以上になると言われ、王位継承者に収入をもたらしている。
ウィリアム皇太子は昨年、コーンウォール公領の土地内に手頃な価格の住宅建設の計画があるかについて現地メディアの記者に尋ねられた際、「もちろん。ソーシャルハウジング(公営住宅)です。準備が整えば見てもらえるでしょう」と答えていた。
コーンウォール公領の地所の管理事務所が発表した声明によると、土地開発は9月から開始し、来年秋には最初の住宅が完成する予定だという。
同事務所の取締役ベン・マーフィー氏は、新たな住宅の建設について「ニューキー地域におけるホームレスの連鎖を断ち切る助けになるでしょう」と述べ、こう続けた。
「コーンウォール公領の重要な優先事項の一つとして、ウィリアム皇太子はコーンウォールをはじめとする地所が所在する地域においてホームレス問題に取り組むよう、私達に要請してきました。」
「公領は、その土地に建設される新たなコミュニティに質の高い手頃な価格の住宅を組み込んでいることで知られています。ウィリアム皇太子は、住宅危機に関して公領が解決策の一部であり続けることを固く決意しているのです。」
画像2枚目は『The Prince and Princess of Wales Instagram「Great to be back with Dave, selling the latest edition of the @bigissueuk once again!」』より
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)