チャールズ国王(75)が、ウスター大聖堂で執り行われた「王室洗足式(Royal Maundy Service)」の礼拝に音声メッセージで登場した。事前に録音されたスピーチで、国王は互いに思いやることの大切さを強調した。伝統的な礼拝では、イエス・キリストが最後の晩餐で使徒達の足を洗ったことを記念し、君主が地元の高齢者達に特別な銀貨を贈る儀式が行われる。当日は国王の代理としてカミラ王妃が出席し、男女それぞれ75名に銀貨を贈呈した。

現地時間28日、英ウスターシャー州の都市ウスターにあるウスター大聖堂で執り行われた「王室洗足式」の礼拝中、チャールズ国王による復活祭(イースター)を記念する音声メッセージが流された。

イースターは、イエス・キリストの復活を記念するキリスト教の祝祭だ。主イエスが使徒達と最後の晩餐を行った日を「聖木曜日(モーンディ・サーズデー)」、十字架にかけられた日を「聖金曜日(グッド・フライデー)」、復活した日曜日を「復活祭(イースター)」として祝福し、これらは「聖なる3日間」と呼ばれている。

復活祭は春分の日以降、最初の満月の後に迎える日曜日に制定されているため、その年によって日付が異なる。今年は3月28日が聖木曜日で、29日が聖金曜日、31日が復活祭となる。

聖木曜日は、イエスが使徒達と最後の晩餐を共にし、「私があなた達を愛したように、互いに愛し合いなさい」と命じたことを記念する日だ。

「王室洗足式」は聖木曜日に行われる英国国教会の宗教礼拝で、その歴史は西暦600年まで遡る。式典では、英国の君主または代理人が“モーンディ・マネー”と呼ばれる小さな銀貨を、教会や地域社会に貢献した高齢者に贈呈する。

この日、がん治療中のチャールズ国王は出席できず、礼拝では事前に録音した音声メッセージが流された。

イエスが弟子達の足を洗ったという聖書の朗読後、国王は「洗足式は、私の心の中でとても特別な場所にあります」と述べた。

そして、朗読した聖ヨハネによる福音書の一節について、「使徒達の前にひざまずいて彼らを大変驚かせ、困難に疲れた彼らの足を洗った主の生涯に由来するものです」と説明した。

また国王は、イエスが「どのように奉仕し、互いを思いやるべきかの模範を示した」と述べ、「私達は、特に困っている時に友情の手を差し伸べてくれる人達を必要とし、その恩恵を大いに受けているのです」と付け加えた。

メッセージの中で国王は、昨年5月に執り行われた戴冠式礼拝の冒頭で述べた、イエスの模範である「仕えられるのではなく、仕える」に従うとの誓いを回想し、「私はそのことを常に心がけてきました。そしてこれからも、心からそうするつもりです」と続けた。


当日は国王の代理でカミラ王妃が出席し、男女それぞれ75名の高齢者達に特別な銀貨“モーンディ・マネー”を贈呈した。



画像は『The Royal Family Instagram「The King is pictured in the Centre Room at Buckingham Palace during the filming of this year’s Christmas Broadcast.」Today, The Queen presented Maundy Money to 75 men and 75 women in Worcester Cathedral in recognition of service to their local communities.」』『The Royal Family X「Though The King was unable to attend today,」「Maundy Thursday commemorates Jesus sharing the Last Supper with his disciples and commanding them to “Love one another as I have loved you.”」』より
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)