ウィリアム皇太子が王室公務に復帰し、英サリー州でチャリティ団体のボランティア活動に参加した。皇太子が公務を行うのは、3月にキャサリン皇太子妃ががんを公表して以来、初めてのことだ。現地で皇太子は、ボランティアの女性からがんの治療中のチャールズ国王と皇太子妃に宛てたお見舞いのカードを手渡される場面があった。皇太子は感動した様子で、「ご親切に。ありがとうございます」と感謝を述べたという。

ウィリアム皇太子が現地時間18日、英サリー州サンバリー・オン・テムズにある「サンバリー・クリケット・クラブ」を公式訪問し、食料配給チャリティ団体「Surplus to Supper」のボランティア活動に参加した。

皇太子が公務に復帰するのは、3月19日にホームレス救済を目的とするプロジェクト「ホームワーズ(Homewards)」の視察で英シェフィールドを公式訪問して以来となる。

同月22日には、キャサリン皇太子妃ががんの治療を開始したと公表。翌23日にウィリアム皇太子夫妻は英ノーフォーク州にある別宅アンマー・ホールに移動し、ジョージ王子(10)シャーロット王女(8)ルイ王子(5)とともにイースター(復活祭)休暇を過ごした。

子ども達の新学期が始まり、家族の休暇を終えた皇太子は「Surplus to Supper」の活動に参加して、ボランティアが石鹸やハンドソープ、化粧品などのグッズを整理するのを視察。その後は厨房で、地域の家庭に届けるため、“文化的に適切”な料理を作る下ごしらえを体験した。

英メディア『Daily Mail Online』によると、皇太子がエプロンを着けて「ここは良い匂いがするね」と言うと、ボランティアの人から大きなナイフを手渡されてセロリを刻むように頼まれたという。

そのナイフを見た皇太子は、指も一緒に刻んでしまわないかと心配したようで、このようなジョークを放ったそうだ。

「これは一番大きなナイフだから、最善を祈るよ。みなさんのランチを台無しにしたくないからね。そうならないことを祈るが、その場合は僕を責めていいよ。」


ウィリアム皇太子は、ボランティアとして参加していたレイチェル・カンダッパさん(Rachel Candappa、71)から、がんで治療中のチャールズ国王キャサリン皇太子妃に宛てた2枚のお見舞いカードを受け取る場面もあった。

この時、皇太子は大変感動した様子で「カードですか。とてもご親切に。本当にありがとうございます」と感謝を伝えた。レイチェルさんが、療養中のキャサリン皇太子妃のことを「大切にしてあげてください」と言うと、皇太子は片手を彼女の肩に置き「そうします」と約束した。

レイチェルさんが涙ぐみ出すと、皇太子は気を利かせたのか、目の前にある食料を指して「スパゲッティ・フープはあるかな。子どもがいるから大好きなんです」と話題を変えたという。


レイチェルさんが同メディアに語ったところによると、2枚のカードにメッセージを書き終えたのは、当日の午前1時だったそうだ。キャサリン皇太子妃に宛てたカードには、「あなたが大きな勇気をもって一人で世界の舞台に立ち、個人的な健康問題について語った時、国民は心を痛めました」といった内容を含む長文のメッセージを記したという。

カードを受け取った皇太子が感動したことについて、レイチェルさんは「彼だって人間です。王族であることを忘れてはいけませんが、それを省けば彼は夫であり、子ども達の父親なのです」と語っている。

この後、皇太子は仕分けした食料を配送車の荷台に積み込むのを手伝うと、ボランティアの男性達とともに助手席に乗り込み、ロンドン南西部の町フェルサムにある青少年センター「Hanworth Centre」に向かった。


車両が現地に到着すると、皇太子は荷台から食料が入った箱を取り出し、センターの中へ運ぶ手伝いをした。施設内では若者達と交流し、センターが彼らにどんな支援を提供してくれるかについて雑談した。



画像は『The Prince and Princess of Wales Instagram「Joining the inspirational @surplustosupper and seeing how they redistribute 25,000 meals a year across Surrey and West London.」』より
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)