チャールズ国王が、カミラ王妃とともに英ロンドンの病院内にあるがんセンターを訪れた。この日、国王が故エリザベス女王の後任として「英国王立がん研究基金」のパトロンに就任することが発表された。国王が公の場での対面式公務に復帰にするのは、がんを公表して以来、初めてのことだ。現地に到着した国王は、集まった群衆に笑顔で手を振るなど元気そうな姿を見せた。

チャールズ国王カミラ王妃が現地時間4月30日、英ロンドンの「University College Hospital(ユニバーシティ・カレッジ病院)」内にある「Macmillan Cancer Centre(マクミラン・がんセンター)」を公式訪問した。

国王は今年2月にがんと診断されたため、直ちに治療を開始したと公表。現在も週に一度、ロンドンの病院で外来患者として治療を続けている

その後も国王は、国事行為や文書業務などのオフィスワーク、バッキンガム宮殿内での対面式公務を続けてきたが、公の場での対面式公務に復帰するのは今回が初めてだ。

「Macmillan Cancer Centre」は、がんの研究をサポートする英国の慈善団体「Cancer Research UK(英国王立がん研究基金)」の支援を受け、がんに関する革新的な研究を行っている。

エリザベス女王は2022年9月に崩御するまで、同団体のパトロンを務めていた。女王は1953年から「Imperial Cancer Research Fund(大英帝国がん研究財団)」のパトロンだったが、同財団が2002年に「Cancer Research Campaign(がん研究キャンペーン)」と合併し、現在の「Cancer Research UK」となった。

そしてこの日、チャールズ国王が故エリザベス女王の後任として、「Cancer Research UK」の新たなパトロンに就任することが正式に発表された。国王はカミラ王妃とともに、がんの早期発見の重要性に対する認識を高め、その研究の一部を視察するためにがんセンターを訪れた。

夫妻が到着すると、集まった多くの群衆から熱い歓迎を受けた。国王はネイビーブルーのストライプ・スーツに、恐竜の柄が入ったピンクのネクタイを合わせていた。カミラ王妃は、フリルの付いたレオパード柄のワンピースを着ていた。

国王は集まった人々に笑顔で手を振るなど、とても元気そうな姿を見せた。そして夫妻は病院内へ入ると、出迎えたスタッフと握手を交わした。

がんセンター内を視察した夫妻は臨床医と対面し、がんの早期発見に役立てられているCTスキャナーなど、技術面についての話を聞いた。その後、センターで治療を受ける患者達とも交流した。

現地メディアによると国王は、日帰り病棟で化学療法を受けるため夫とともに来院したレスリー・ウッドブリッジさん(Lesley Woodbridge、63)と会話した際、「私も今日の午後、治療を受けなければならないのです」と話したという。



画像は『The Royal Family Instagram「Thank you to all those who have sent their good wishes during The King’s hospital stay.」』より
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)