2016年と比較し若返った2021年シーズンのトップ10

グランドスラム3大会で優勝、さらにピート・サンプラス(アメリカ)を抜く7度目の年間1位になるなど34歳ノバク・ジョコビッチ(セルビア/世界ランク1位)の活躍は今年も素晴らしいものだった。その一方、東京オリンピック男子シングルスで金メダルを獲得した24歳アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/同3位)がツアー最終戦「Nitto ATPファイナルズ」でも優勝、USオープンではジョコビッチを決勝で破ってダニール・メドベデフ(ロシア/同2位)が優勝するなど、若手の勢いを感じるシーズンとなった。
その印象は正しいのだろうか? 2001年から5年ごとのトップ5、トップ10の平均年齢を比較してみた。

【画像】2001~2021年の5年ごとのトップ10平均年齢&過去10年のトップ10顔ぶれ

すると、2006年→2011年→2016年までは平均年齢が上昇ということに。2016年の最終ランキングでは、当時29歳のアンディ・マレーが1位、同じく当時29歳のジョコビッチが2位、3位に当時25歳のミロシュ・ラオニッチ(カナダ)、4位に当時31歳スタン・ワウリンカ(スイス)、5位に当時26歳の錦織圭(日清食品)というのがトップ5。当時30歳ラファエル・ナダル(スペイン)は9位にいるが、当時35歳ロジャー・フェデラー(スイス)は16位とランキングを落としていたタイミングだった。

そして2016年のトップ5が平均28.0歳、トップ10が28.2歳だったが、今年はトップ5が平均26.0歳、トップ10が25.6歳と若返っている。

それでは2016年からの単年ごとはどうなっているのか。2020年シーズンに関しては、新型コロナウイルスによるランキング凍結期間であることを考慮しなければならないが、トップ5では2020年の31.4歳、トップ10では2018年の30.0歳が最も平均年齢高くなっている。それが2021年トップ5は前年から5歳以上若返って平均26.0歳に、トップ10も前年から2.1歳若返って平均年齢が25.6歳と若返っている。この数字だけ見れば、2021年はイメージどおり、若手が台頭してきたシーズンと言っていいのだろう。

興味深いのは、どのシーズンもピックアップしたランキングでは、最年少は20歳前後が最も多いということ。今年で言えば、ヤニック・シナー(イタリア)が最年少となるが、2022年も同世代で活躍する選手が現れるのかもしれない。
また2017年以降、最年長は36歳以上となっている。
年を経ながらも強さをキープしているジョコビッチ、ナダルといった存在がいるからだが、どこまで若者たちの台頭に立ち向かうことができるか来シーズンも楽しみだ。
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