5月23日、全仏オープン2日目、女子シングルス1回戦が行われ、大坂なおみ(フリー/世界ランク38位)は、第27シードのアマンダ・アニシモワ(アメリカ/同28位)と対戦するも、5-7、4-6のストレートで敗戦。試合後の記者会見では、できる限りのことをやったと試合を振り返り、「どのサーフェスが苦手だとかを言うのは止めて、ひたすら頭を低くして一生懸命に努力するだけ」と前向きに語った。
【動画】大坂なおみ、全豪で敗れたアニシモワにリベンジならず マッチハイライト
会見の冒頭、「あまり試合をこなすこともできなくて、ちょっと残念な結果になってしまいました」とコメントした大坂。足については「痛みはなかったんだと思う」と語ったが、その後、試合中に足を伸ばしていたことについて聞かれると「ストレッチをすると、調子が良くなるのでやっていたんです」と少なからず影響があったと思われる発言をしている。
しかし、「それが人生の楽しいところだと思うんです。すべてが自分の計画通りにいくとは限らない。だから、まずは気持ちを立て直していこうと思います」「できる限り努力し続ければ、望むようなチャンスが巡ってくるはず。前進するのみです」と前向きに発言。「私はレッドクレーやグラスコートで育ったわけではないので、もう少し時間をかけて、両方のサーフェスでより多くの試合をこなせるようになりたいですね」と今後も、クレーコートや芝にチャレンジをしたいと決意を語っている。
また、会見終盤には、さまざまな質問に対して、率直に答えていっていた大坂に対して、ある外国記者から感謝が伝えられるという珍しいシーンもあった。
以下は、会見での一問一答である。
Q.1回戦としては、難しい相手でした。試合を振り返ってください。
「一生懸命やったつもりですが、この大会に向けてあまり試合をこなすこともできなくて、ちょっと残念な結果になってしまいました。
Q.あなたが、アスリートのメンタルヘルスについて問題提起して1年が経ちました。WTA、ITFの大会主催者は十分な改善策を講じていると思いますか?
「常にもっとすべきことがあると感じています。進歩がないまま、止まってしまうような。言いたいことはわかりますよね? 常に進化が必要なんです。ただ今現在は、一生懸命やってくれているような気がします。時々アンケートとかで要望も聞かれたりするので、それはすごくいいことだと思っています」
アニシモワのリターンに動揺して
「いつもより攻めすぎてしまったのかもしれません」
Q.試合中、アキレス腱と左足首の状態はどうだったのでしょうか? 伸ばしていたりしましたね。
「そうですね、試合前に痛み止めを飲んだのですが、まだ少し残っているような気がするので、それがなくなったらどうなるのかなって思っていました。でも、痛みを感じることを覚悟していたようなものだから、痛みはなかったんだと思う。前回、彼女と対戦した時はサーブがとても重要なカギだったので、それが気になりました。この大会では、アキレス腱を痛めないために、あまりサーブはしていなかったので。(伸ばしていたのは)ストレッチをすると、調子が良くなるのでやっていたんです」
Q.1回戦敗退は、非常に残念だと思います。アニシモワとの差はどこにあったと思いますか? それと、グランドスラム優勝はすべてハードコートですね。
「今年はクレーコートで2試合しかプレーしていないので、その差はあると思います。もっとプレーしたかったです。ヨーロッパに長く滞在して、この大会の準備していたので。全豪で対戦した時は、(試合後)もう少し自分に腹が立っていたと思うので、その部分は進歩したと思います。2つ目の質問ですが、私自身は、大会で自信はありません。一方で、本当は誰もやりたがらないタイプの選手でもある気がしています。ただ、まだ24歳なのにグランドスラムで4勝できたことは、自分でもすごいと思います。私はレッドクレーやグラスコートで育ったわけではないので、もう少し時間をかけて、両方のサーフェスでより多くの試合をこなせるようになりたいですね。長年多くの試合をこなしてきたわけではないので、自分自身にチャンスを与えることができなかったんです。これからもプレーを続けることで、より多くのことを学んでいきたいと思っています」
Q.SNSがメンタルヘルスに影響を及ぼすと知られています。試合後のSNSは、どう対処しているのでしょうか?
「正直、メッセージは見ていません。言葉のフィルタリングとかもしています。
Q.テニス界では大きな問題だと思いますか?
「もっと若い時は大きな問題でした。なぜなら、自分をフォローしてくれている人たちとつながる方法だからです。でも、負けたあとには、本当にひどいメッセージが届くんです。若い選手にとっては、すべてを心に刻んでしまうので、本当につらいことだと思います。少なくとも私はそうでした」
Q.試合について、ダブルフォールトが8本(第1セット4本、第2セット4本)ありました。観客はあなたの応援に回っているようでしたが、原因はありますか?
「第2セットまではアキレス腱を気にしなかったので。第1セットは、まったく問題なかったです。サーブがうまくいかなかったのは、リターンがとても上手だったから。
「それが人生の楽しいところだと思うんです
すべてが自分の計画通りにいくとは限らない」
Q.マイアミ大会後、あなたは「クレーコートのテニスをきちんとやりたい」と言っていましたが、叶いませんでしたね。それとウィンブルドンがポイントなしになりますが、今後のプランの変更はありますか?
「ここでの成績は残念ですね。もっといい成績を残したかったです。頭の中では、マドリード、ローマでもいい成績を残したいと考えていました。ただ、それが人生の楽しいところだと思うんです。すべてが自分の計画通りにいくとは限らない。だから、まずは気持ちを立て直していこうと思います。自分がやったことに後悔はありません。
Q.本当にタフなドローだったと思います。試合順について聞きたいのですが、どうお考えでしょうか?
「私の場合、日本時間の何時頃にプレーするかが決まっているので。だから、ここではいつも早い時間のプレーになるとわかっています。圭(錦織)もいつもここでかなり早いですしね。それは予想できていたことです。イガ(シフォンテク)が早めの試合だったのは驚きましたが、もしかしたら彼女のリクエストだったのかもしれませんね。試合予定を見てなかったのもありますが、(センターコート第1試合が)女性の試合だと思っていませんでした」
Q.芝とクレーを比べると、どちらがより難しいでしょうか?
「正直なところ、芝は怪我がひどかったので、ちょっと怖いですね。だから、ちょっと怖いです」
Q.全仏、ウィンブルドンではいい結果を残せていません。ヨーロッパでの課題は何だと思いますか?
「少しホットな話かもしれませんが、若い頃はあまり深く考えずにプレーしていて、『3回戦まで行け』と言われていたような気がします。
「ハードワークを続ければ、
自分の行きたいところに近づけると思います」
Q.まず最初に、この記者会見に来て、すべてに答えてくれて、特に負けた後なのに、とても親切に答えてくれてありがとうございます。もしクレーと芝、どちらかで一生に一度の試合をするとしたら、どちらを選びますか?
「そんなこと聞かれたことないですよ(笑) 好きな相手と一生の試合をするとか」
Q.もちろん、相手にもよると思いますが。例えば、人生で一番大事な試合なら、どちらのほうが、勝ち目があると思いますか?
「私にとっては、勝つチャンスというよりも、ウィンブルドンの芝生を見て育ったので、ウィンブルドンの方がクレーよりも勝てるかもしれませんね。それに、みんなウィンブルドンを一番格の高い大会のように思っているようです。だから、たぶん芝生の大会ですかね」
Q.マイアミで、来年1位になることが目標とおっしゃっていました。ランキングを上げること、どのくらいの頻度で大会に出るつもりか、プランはありますか?
「確かに、シード選手だったりトップ10に入らないとドローがかなり難しくなると思います。私は、ほかの人たちよりも多くの大会に出場しているわけではないので、それは認識していますし、それが私の背中を押している部分でもあります。できれば対戦したくないような選手と対戦する可能性があることもわかっています。でも、それは自分自身の行動の結果。来年は1位という高い目標がありますが、ハードワークを続ければ、今年の終わりには、自分の行きたいところに近づけると思います。私自身、昨年、全仏から去った時の感情を覚えているので、ファンの前でプレーできて本当に良かったですし、昨年に比べると感覚的にも変わっています。それを経験できたことは、本当によかったと思います」
Q.ウィンブルドンに出場するかはどう決めますか?
「ポイントがなければエキジビションのように感じてしまいます。そうではないとわかっているんだけど、頭ではそう感じてしまうし、100%で試合に臨めない。まだ決断はしていないものの、現状では出場しない方向に(気持ちは)傾いています。変わるかもしれませんが。芝でもっと経験を積みたいし、ベルリンの大会(6月13日~19日/WTA500「ベット1オープン」)ではポイントがもらえるから、いい機会とも思っています。もし今年、芝でプレーしなかったら、大好きなハードコートで頑張りたいですね。ただ、それについては、ミーティングで決める必要がありそうですね。
Q.今日、ファーストサーブが入らなかったのは、アニシモワのプレッシャーと足の問題、どちらの要因が大きかったでしょうか?
「ファーストサーブに対する彼女のリターンは、セカンドサーブほど気にならないと思っていました。オーストラリアで彼女と対戦したときは、ボールが滑って気になっていたのですが、クレーコートでは、ボールを拾える時間が長くなるので。ファーストサーブの確率が低かったのは、彼女のリターンが気になったからではなく、あまり練習していなかったので、リズムが悪かったのだと思います。でも、今年はたくさんのことを学びました。以前、オーストラリアで彼女と対戦した時もそうでした。その時は、不安と緊張と興奮で、プレー中に感じたくない感情でした。インディアンウェルズでは、そのようなことはありませんでした。いずれは克服しなければならないと思っています。だから、どうなのか見てみて、自分の決断を下したいと思います」