シナー、ジョコビッチにストレート勝利で決勝へ グランドスラム4勝目に王手
「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン)男子シングルス準決勝が7月11日に行われ、第1シードのヤニック・シナー(イタリア/世界ランク1位)が、第6シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア/同6位)を6-3,6-3,6-4で下し、大会初優勝まであと1勝とした。
【動画】シナー、ジョコビッチを退けてウィンブルドンで初の決勝進出 勝利の瞬間
23歳のシナーは、今年の全豪オープンで連覇達成。
5年連続5度目の出場となった今大会は、初戦でルカ・ナルディ(イタリア/同95位)、2回戦でアレクサンダー・ブキッチ(オーストラリア/同93位)、3回戦でペドロ・マルチネス(スペイン/同52位)にストレート勝利。
第19シードのグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア/同21位)との4回戦では、2セットを失って迎えた第3セット途中でディミトロフが右胸を負傷して棄権。思わぬ形でベスト8入りし、準々決勝では第10シードのベン・シェルトン(アメリカ/同10位)を7-6(2),6-4,6-4で破って2年ぶりに準決勝に進んでいる。
史上最多25度目のグランドスラム優勝を狙うジョコビッチとの一戦。第1セット、シナーはラリー戦でジョコビッチに動かされても、粘りのある下半身を活かして力強いショットで応戦。ストロークで押して、2度のブレークに成功して6-3でセットを奪う。
第2セットも、第2ゲームで先にジョコビッチのサーブを破ったシナー。ジョコビッチはネットに出てリズムを崩そうとするが、コーナーへの正確なサーブ、迫力のあるフォアハンド、広いコートカバーリングで隙を見せない。このセットも6-3で取り、2セットアップとする。
一気に勝負を決めたいシナーは、第3セットの立ち上がりでジョコビッチに最初のブレークを許して0-3となる。だが、ストローク戦で分のあるシナーがジリジリと追い詰め、強引な攻めが目立ったジョコビッチから一気に5ゲームを連取。
シナーは、「第3セット、彼(ジョコビッチ)は少し怪我をしていた。彼はとても難しい状況にあったけれど、僕は落ち着いて大事な場面で最高のテニスができるように努めた。 このパフォーマンスにはとても満足している」と振り返った。
ウィンブルドン初優勝をかけた決勝では、第2シードのカルロス・アルカラス(スペイン/同2位)と、「全仏オープン」と同じカードに。「カルロス(アルカラス)ともう一度コートを共有できることは大きな名誉だ。僕たちは自分の限界に挑戦している。彼は間違いなく私が尊敬する選手の一人」と敬意を表しつつ、「前回のようないい試合になるといいね。 でも、ベストを尽くすつもりだし、楽しい試合になることを願っている」と語った。
2セットアップ、3本のマッチポイントの状況を活かせなかった悔しい敗戦から1か月。アルカラスの3連覇を阻み、グランドスラム通算4勝目を挙げることができるだろうか。