小田凱人、世界2位ヒュウェットを破りウィンブルドン2年ぶりのタイトル獲得
「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン)車いすテニスの男子シングルス決勝が7月13日に行われ、第1シードの小田凱人(東海理化/世界ランク1位)が、第2シードのアルフィー・ヒュウェット(イギリス/同2位)を3-6,7-5,6-2の逆転で破り、同大会2年ぶり2度目の優勝。グランドスラムでは通算6勝目となった。【動画】小田凱人、宿敵ヒュウェットを破ってウィンブルドン2年ぶり2度目の優勝 ハイライト
19歳の小田は、今季1月の全豪オープンでは準優勝だったものの、続く全仏オープンで3連覇を達成。グランドスラム5勝目を挙げた。
4年連続4度目の出場となった今大会は、1回戦でベン・バートラム(イギリス/同18位)を6-2,7-5で下すと、準々決勝でルベン・スパーガレン(オランダ/同8位)を6-1,6-4、準決勝で第4シードのグスタボ・フェルナンデス(アルゼンチン/同4位)を7-5,6-1で破って決勝に進んだ。
決勝の相手は、小田とナンバーワン争いをしているヒュウェット。直接対決では、小田が11勝9敗としており、今年のグランドスラムは全豪オープンがヒュウェット、全仏オープンが小田とタイトルを分け合っている。
21度目の対戦となった両者の試合は、ブレークし合ってスタート。小田は3-2からヒュウェットに4ゲームを奪われてセットを失う。
しかし、第2セットは小田が先にブレーク。地元イギリスのファンの声援を受けるヒュウェットに挽回されてリードを守り切れない場面もあったが、5-5で強烈なリターンエースを奪って値千金のブレーク。このセットを7-5で奪い返した。
最終セットでは、テンポの速いストロークとドロップショットを組み合わせて翻弄した小田。ここまでセカンドサーブを叩いて攻撃してきたことで、勝負所でヒュウェットにダブルフォールトが出るなど、プレッシャーをかけ続けて計2度のブレークに成功。
「これまでプレーした中で最高の試合だった。お互いに高め合って歴史を作った試合だったと思う。勝つ時もあれば負ける時もある。僕らにとってあまり重要ではないのかもしれない。でも、僕らはほかの世界の人たちが理解できないような次元で戦っているんだ。たくさんの日本の人たちが、僕と彼の対戦を楽しみにしてくれて特別な試合になった」と振り返った。
昨年のパリ・パラリンピックで金メダルを獲得している小田にとって、すべてのグランドスラムとパラリンピックを制覇する“生涯ゴールデンスラム”に残すは全米オープンのみ。
「全米で勝つことを楽しみにしている。今年が始まった時からそれを目指していた。一瞬一瞬を楽しみながら、自分のテニスをしていくだけ」と、次の目標を見据えた。