シナー 腹筋痛めるアクシデントもオジェ・アリアシムを破って決勝進出


「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク)男子シングルス準決勝が現地9月5日に行われ、第1シードのヤニック・シナー(イタリア/世界ランク1位)が、第25シードのフィリックス・オジェ・アリアシム(カナダ/同27位)を6-1,3-6,6-3,6-4で下して、グランドスラム5大会連続で決勝に進出。5度目のグランドスラム制覇、そしてロジャー・フェデラー以来となる20年ぶりの大会連覇に王手をかけた。


【動画】シナー 逆を突かれて返球したショットが完璧なコースに 相手も苦笑い

今季グランドスラムすべてで決勝に進出し、全豪オープンとウィンブルドンを制している24歳のシナー。今大会の前哨戦となった「シンシナティ・オープン」(アメリカ・シンシナティ/ATPマスターズ1000)は、決勝に進んだものの、体調不良により途中棄権し不安を残した。

だが、その懸念を一蹴するかのように、今大会は順調な勝ち上がり。1回戦でヴィト・コプシバ(チェコ/同89位)を6-1,6-1,6-2で破ると、2回戦でアレクセイ・ポピュリン(オーストラリア/同36位)を6-3,6-2,6-2、3回戦で第27シードのデニス・シャポバロフ(カナダ/同29位)を5-7,6-4,6-3,6-3、4回戦で第23シードのアレクサンダー・ブブリク(カザフスタン/同24位)を6-1,6-1,6-1、準々決勝では同じイタリアの第10シードのロレンツォ・ムゼッティ(同10位)を6-1,6-4,6-2で破り、ベスト4に進出した。

この日は、4年ぶりにグランドスラム準決勝の場に勝ち上がってきたオジェ・アリアシムと対戦。過去1勝2敗ながら、前哨戦のATPマスターズ1000シンシナティでは、6-0,6-2と圧倒しているシナーは、開始からエンジン全開で襲い掛かる。

オジェ・アリアシムがスピードのある強烈なショットを放っても、広いコートカバーリングでことごとく返球。隙のないプレーで、シナーはより厳しいコースへ打ち分けて、次々とポイントを積み重ねる。2度のブレークに成功して6-1でセットを奪った。

王者を相手に、追いかける展開となったオジェ・アリアシムは、第2セットはこれまで以上に積極的に攻撃。テンポよくサービスキープしていくと、セット終盤の第8ゲームでこの試合初めてのブレークに成功し、そのまま6-3でセットを奪い返した。

シナーは腹筋を痛めたか、セット間にメディカル・タイムアウトを取って治療。
オジェ・アリアシムに流れが傾く。それでも、第3セットはサーブのスピードが落ちたぶん、安定したストロークでカバー。3-2で相手のプレーが乱れた瞬間を見逃さずにリードを奪い、シナーが6-3として勝利まであと1セットとした。

一気に勝負を決めたいシナーに対して、オジェ・アリアシムも簡単に引き下がらない。再びギアを上げてチャンスを作る。しかし、シナーも出力を上げて計5度のブレークポイントをしのぐ。第5ゲームで激しいラリー戦を制してチャンスを活かしてブレークし、オジェ・アリアシムの反撃も守り抜いて6-4。3時間21分の熱戦を制して、昨年大会からグランドスラム5大会連続で決勝に進んだ。

2004年から2008年まで5連覇を成し遂げたロジャー・フェデラー以来の連覇がかかるシナー。決勝の相手は、第2シードのカルロス・アルカラス(スペイン/同2位)だ。

直接対決では5勝9敗と負け越しており、今季5度目の対戦。グランドスラム決勝では、全仏オープンはアルカラス、ウィンブルドンはシナーが制している。
世界1位と2位の頂上対決はどちらに軍配が上がるだろうか。
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