アルカラス ライバルを破って全米オープンで3年ぶり2度目の優勝


今年最後のグランドスラムとなった「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク)は現地9月7日に、男子シングルス決勝が行われ、第2シードのカルロス・アルカラス(スペイン)が第1シードのヤニック・シナー(イタリア)を6-2,3-6,6-1,6-4で下して、同大会3年ぶり2度目の優勝を果たし、2年ぶりに世界1位に返り咲いた。試合後の会見でアルカラスは、シーズン序盤からの目標だったと明かし、「夢のようだ」と語った。


【動画】アルカラス シナーを破って3年ぶり2度目の全米オープン制覇!決勝ハイライト

22歳のアルカラスは、全米オープンまでに今季6つのタイトルを獲得。4月のクレーコート・シーズン以降、7大会連続で決勝に進んで高いレベルを維持していた。

5度目の出場となった今大会も危なげない勝ち上がりを見せ、準決勝では史上最多25度目のグランドスラム制覇を狙った第7シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)を6-4,7-6(4),6-2で撃破。セットを失うことなく決勝進出を決めた。

決勝の相手となったのは、2024年以降のグランドスラムでタイトルを分け合っている世界1位のシナー。今年は、全仏オープンとウィンブルドンの決勝で対決し1勝1敗となっていた。

グランドスラムの舞台で3大会連続で同カードとなった一戦。アルカラスは、攻守にわたって躍動感のある動きで、シナーにリードを許さない。2度のブレークに成功して第1セットを奪った。第2セットではシナーも盛り返して、アルカラスは今大会初めてセットを落としたが、ギアを一段上げて第3セット以降はブレークを許さず。第3セットを6-1、第4セットを6-4で奪い、通算6度目のグランドスラム制覇を成し遂げた。

この結果により、8日に更新された世界ランキングで2年ぶりに世界1位に返り咲いたアルカラス。
試合後の会見では、「世界1位を取り戻すチャンスがあるとわかってから、それがシーズン序盤からの目標の一つだった」と明かす。

「達成できたということは夢のようなこと。それもグランドスラム優勝と同じ日に実現できるなんてさらに最高だ。努力すべて報われる。本当にうれしい」と喜びを露わにした。

決勝で敗れたウィンブルドン後には、「すぐに『彼に勝ちたければ、何か改善しなきゃ』と思った」と、コーチで元世界1位のファン・カルロス・フェレーロ氏とともにシナー対策を練ってきたという。

「勝敗は気にせず、とにかく正しいプレーをすることを意識した。もし相手が信じられないプレーをして勝ったなら、それは仕方のないこと。少なくとも納得できる。今日はその成果が出た。言われたことを実行したらうまくいったんだ」

コーチのフェレーロ氏も「映像を見て、プレーの細かい部分を確認して準備した。そして、カルロスはそれを100%実行に移した。
言うのは簡単だが、やるのはとても難しい。今日のパフォーマンスは完璧だった」とべた褒めだった。

今回の優勝をチームや家族らともに分かち合いたいとするアルカラスだが、話題は早くも来年1月に開催される全豪オープンへ。

男子では史上最年少22歳8か月での“生涯グランドスラム”達成がかかり、「正直、それが最初の目標になる。プレシーズンで何を達成したいかを決める時、全豪オープンは必ずある。もちろん来年狙うよ。ダメでも2年、3年、4年後とね。大事なのはいつか達成するということ」と意欲を燃した。
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