2020年8月11日(火)、東京メトロの新木場車両基地で有楽町線・副都心線用の新型車両「17000系」が報道公開されました。
本車両は約45年にわたり活躍してきた7000系を置き換える目的で開発されたもので、快適性や安全性の向上により「沿線のお客様に親しまれる車両を目指した」といいます。
最初の1編成(17101編成)は2021年2月に営業デビュー。その後、10両編成60両は2021年度4月までに、8両編成120両は2021年5月から2022年度中にかけて搬入される見込みです。
インテリア・車内設備
17000系の車内インテリアは有楽町線・副都心線のラインカラーを効果的に使い、スタイリッシュさを追求したものになりました。袖仕切や貫通引戸に強化ガラスを採用し、床と腰掛座面を濃色で構成することで、地下においても解放感を感じる車内づくりを目指したと言います。
17000系の座席幅は460mm、腰掛内部に金属バネ(Sバネ)を組み込むことで座面に快適なクッション性を持たせています。表地にはアラミド繊維が採用されており、腰掛表面の耐久性も向上しました。
全ての車両にフリースペースが設置されており、車椅子やベビーカーをお使いの方も気軽に利用出来るようになりました。
またフリースペースそばの側出入口ドアレールには、切欠き加工が2つ施されています。これは車椅子・ベビーカー利用者の乗降性向上を図ったもの。
17000系は7000系と比較すると床面高さが60mmほど低くなっており、ドア出入口もホーム側へ約10mmほど傾斜しています。こうした仕様の合わせ技により、たとえばこれまではベビーカーを車内に押して入る際にグッと力を入れて前輪を浮かす必要がありましたが、そのような負担が軽減されるようになるわけです。
切欠き施工されたドアやフリースペースがお目当てなら、車両の肩部に表示されているピクトグラムを確認しましょう。これを目印に乗車すればOKです。
直通運転のための設備も
駅間が短く急勾配も存在する東京メトロでは、駅建設の制約から急曲線も多いため、高加減速・高い曲線通過性能が求められます。
また有楽町線・副都心線は西武・東武・東急などの他社線へも乗り入れるため、相互直通先と必要な機能を揃え、機器配置なども共通化する必要があります。17000系はそのような非常に高い要求ニーズを満たす車両として作られているわけですね。
利用者がどんな目的で乗ったとしても快適・安全であれるよう、上記内容の他にも、セキュリティカメラを搭載して車内情報監視・分析システムを整備したり、冷房能力を向上させたりと細かなところに手が加わっているようです。有楽町線沿線済みの記者としても、来年2月からの営業運転が楽しみでなりません。
文/写真:一橋正浩



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