SL列車でハッピーウエディング!! 埼玉県の秩父鉄道は2021年秋ごろから、SL列車「パレオエクスプレス」で結婚式を挙げる、ウエディング列車の運行を予定する。2021年6月5日には、SL車内で模擬挙式を実施し、地域密着の〝SL結婚式〟をお披露目した。
SL「パレオエクスプレス」のキャッチフレーズは「東京から一番近いSL列車」。C58が4両の12系客車をけん引する秩父鉄道の観光列車は、1988年に運行を始め、2021年は34年目に当たる。
先頭に立つC58 363は1944年に製造され、国鉄の東北エリアで運用。1972年の廃車後は埼玉県鴻巣市の小学校で展示されていたが、1988年の「’88さいたま博覧会」の目玉として復活。秩父鉄道での運行年数は、既に国鉄時代を超えている。
秩父鉄道はSLリピーターを確保しようと、季節に合わせたヘッドマーク掲出のほか、ボイラー前頭部左右のデフを交換するなどファンサービスに力を入れるが、今回は新しいSLの活用方法として「パレオエクスプレスウエディング」を考案した。運行開始は今秋の予定で、サービスや演出の詳細はカップルのリクエストで決めるが、熊谷発三峰口行き下り列車の1両を貸し切り運転し、三峰口駅のSL転車台公園で、人前式の挙式や披露宴を開催。SLをバックに写真を撮るフォトウエディングを計画する。車内アナウンスは、鉄道ものまね芸人の立川真司さんが担当。熊谷市出身のシンガー・上野友梨奈さんのウエディングソングで、道中を盛り上げる。
模擬挙式では、秩父鉄道の社内カップルに熊谷駅駅長が結婚証明書を手渡し。ヘッドマークをバックに記念撮影した後、車内ではケーキに入刀した。
さらに、秩父鉄道は2021年6月、沿線に密着した「SLちちぶブルーベリーエクスプレス」(19日)、「SL行田花手水号」(20日)といった冠列車を運行する。秩父観光農林業協会などが協力するブルーベリーエクスプレスは、車内でブルーベリーの試食会を開催。花手水号運転日は、熊谷駅ホームで忍城甲冑(かっちゅう)隊との撮影会などで、列車を盛り上げる。両日とも、列車には特製ヘッドマークを掲出する。
文:上里夏生
(写真:秩父鉄道)



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