※2021年09月撮影
トップ画像は、中央本線日野春駅。甲府は快晴だったのに急に強い雨が降ってきました。
中央本線の普通電車に乗っているとこの駅で特急電車に追い抜かれることが何度もあります。ホームの北側に残る蒸気機関車時代の給水塔の写真を撮ったり、南側に連なる1000m級の山並みを眺めたりすることで優等列車の追い抜きを待つ間も退屈することはありません。しかし、構内跨線橋を渡って駅舎を見たことはありませんでした。
日野春駅は、1904年(明治37年)国有鉄道中央本線韮崎駅~富士見駅間開通時に開業。1964年(昭和39年)に甲府駅から上諏訪駅までが電化されるまで日野春駅は七里岩の急勾配を登る蒸気機関車に給水する役目があったのです。1987年(昭和62年)国鉄分割民営化でJR東日本に継承されました。
島式ホーム1面2線が駅舎側にあり北側の上り単式ホームの横に給水塔があります。駅舎の右に構内跨線橋があります。
駅舎は日野春駅開業時のものですが、120年近い期間に何度も改修が行われてきたと思われます。
駅舎の西側からホームと駅名標が見えました。
駅出入口。正面の改札口にICカードSuica簡易改札機が設置されています。
駅前広場東側に小さな公園があります。「信玄公旗掛松碑」の石碑が目立っています。
駅が開業する際に地主が武田信玄が旗を掛けて休息したという伝承のある名松を避けるように依頼したのを無視して日野春駅は開業。松の横で蒸気機関車の給水を行っていた結果、10年後、1914年(大正3年)に松は枯れてしまいました。このことで地主が鐵道院を訴え、裁判の結果鐵道院が地主に賠償した事件を記すために1933年(昭和8年)に地主が建立した石碑です。
石碑は元々松があった場所に建てられましたが、1969年(昭和44年)中央本線が複線化された際に現在の駅前広場の公園に移設されました。
日野春駅は山梨県道17号線に沿っています。駅の辺りは日本の国蝶「オオムラサキ」の生息地。北東に「北杜市オオムラサキセンター」があります。6月~7月頃に来ればオオムラサキの飛ぶ姿を観ることができるそうです。
※鉄道の撮影は鉄道会社、鉄道利用者、関係者などのご厚意で撮らせていただいています。撮影は何よりも安全が最優先。あくまでも業務・利用の邪魔にならないように、そしていつも感謝の気持ちを持って撮影しています。
(写真・文章/住田至朗)



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