大学入学共通テストが行われたこの土日、自己採点結果を見てどこに出願しようか、果たして受かるだろうかと思い悩む受験生も多いことでしょう。
人生を左右する大事な試験ですから、神仏に願掛けをする方も多いはず。
大井川鐵道「合格駅」
静岡県の大井川鐵道本線には、かつて「五和(ごか)駅」という名前の駅がありました。開業は1927年と古い駅ですが、2020年11月に「合格(ごうかく)駅」に改称されました。
実は、五和駅ではかねてより地元の方々が中心となり、駅名をもじって「入学試験や資格試験の際にお参りすれば合格が近づく『合格駅』」としてPRや地域おこしの活動を行っていました。大井川鐵道もその活動にあやかったのです。
合格駅の隣には、緑茶と農産物の体験型フードパーク「KADODE OOIGAWA」に併設するかたちで「門出(かどで)駅」が誕生。合格→門出と2駅連続して大変めでたい名前が続く路線となりました。
なお、大井川鐵道ではKADODE OOIGAWAに展示されている蒸気機関車に絵馬をかけるスペースを設置するなど、合格駅周辺の合格祈願スポットを活用した誘客事業も行っています。
松浦鉄道「大学駅」
長崎・佐賀を走る松浦鉄道(略称:MR)の西九州線には「大学(だいがく)駅」が存在します。かつては「大学前駅」だったのですが、1994年に今の名前に改称。同線の今福(いまぶく)駅とセットで縁起駅として知られています。
駅名標も合格祈願の絵馬になっており、人生で一度は訪れてみたい場所の一つです。昨年9月に西九州新幹線も開業したことですし、記念乗車も兼ねて佐世保へ見物に行くのも良いでしょう。
ちなみに「大学駅」のそばにあるのは長崎大学佐世保校。余談ですが、千葉県のユーカリが丘線には女子大がないのに「女子大」という名前のついた駅があります。
<参考>
「3600形ターボくん&こあら号で行く!山万ユーカリが丘線車両基地見学ツアー」同行記 後篇
https://tetsudo-ch.com/12432103.html
南海電鉄「学文路駅」
関西で受験の駅といえばこちら、和歌山県にある南海電鉄高野線の「学文路(かむろ)駅」です。読んで字のごとく「学問(文)の路に通じる」という意味につながることから受験生に人気があります。
受験の縁起物として、南海電鉄は5枚1セットの学文路駅入場券を販売しています。この入場券は菅原道真公を祀った学文路天満宮で祈祷を受けているというガチなもので、5枚セットで発売するのは「ご枚入」「入場券」「学文路駅」の頭文字をつなげると「ご入学」となるからだそう。残念ながら学文路駅は無人駅なので、イベントなど特別な機会を除けばこの駅で購入することはできませんが、南海電鉄の有人駅やオンラインショップで取り扱いがあります。
ちなみに同じ和歌山県には紀州鉄道の「学門駅」もあり、こちらも駅名が学問に通じることから、受験生に人気の駅となっています。
このほかにもめでたい駅名はたくさんあります。また鉄道事業者もこの時期は車輪の滑り止めの砂を配ったり、お守りなどのグッズを販売することで受験生を応援しています。