キャッチフレーズは〝東京から一番近いSL〟。秩父鉄道の「SLパレオエクスプレス」は毎年、冬場は車体整備でお休み、ゴールデンウイーク(GW)前から営業運転に入る。
2025年初の運転は4月19日から。SLに続く12系客車にWi-Fi環境を整備。同じ客車内に埼玉の地酒を味わえるカウンターがお目見えするほか、車内販売もワンランクアップするなど、1988年の復活から38年目の秩父路の旅を盛りだくさんに演出する。
SLパレオエクスプレスのC58 363は、終戦前年の1944年に川崎車両で製造。デビュー以降、主に東北地区で使用され、動力近代化を受けた1972年の現役引退後は、埼玉県吹上町(現鴻巣市)の吹上小学校で静態保存されていた。
引退から16年を経過した1988年、さいたま博覧会の目玉として復活。2024年には「傘寿」の80周年を迎えた。客車は、国鉄時代の1960年代末~1970年代にかけて製造され、主に急行用として全国を走った12系4両。
2025年の運行期間は、12月7日までの土日曜日と休日89日間で、熊谷~三峰口間を1日1往復する。熊谷発10時15分、三峰口発14時5分。乗車には普通乗車券とSL指定席券が必要だ。
今シーズンの新機軸は、無料Wi-Fi。
車内サービスでは、「SL PALEO BAR(パレオバー)」と銘打ち、特設カウンターで秩父路の地酒を味わえる。車販は、SLグッズなどをワゴン販売する。
鉄道ファン要注目は、オリジナル列車カードのプレゼント。恒例のスタンプラリーは、「SLのお仕事」を共通テーマに熊谷、ふかや花園、秩父など沿線7駅とSL車内、それに指定イベント会場(詳細未定)にオリジナルスタンプを置く。
運行初日の4月19日は、SLに特製ヘッドマークを掲出して、撮り鉄にシャッターチャンスを提供。熊谷、寄居、長瀞、秩父の4駅では、歓迎・出発セレモニーを開催する。
記事:上里夏生



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