JR東海は、多くの人が利用するスマートフォン決済アプリ「PayPay」を使ったQRコード決済による運賃支払いの実証実験を、2025年8月1日から開始すると発表しました。
対象となるのは、秘境駅も多く風光明媚な景色で知られるJR東海・飯田線の川路駅~宮木駅間を走るワンマン列車です。
広まるキャッシュレス決済
この実証実験は、人里離れた場所に位置する駅である「秘境駅」が多いことで知られている「JR飯田線」の、川路駅~宮木駅間を走るワンマン列車で実施される予定です。ワンマン列車における運賃収受の円滑化や乗客の利便性向上、乗務員の業務負担、列車運行への影響を調査するとしています。期間は、2025年8月1日から10月31日までの予定で、通信障害時や操作に不安がある場合は現金での支払いも可能だといいます。
同社では、東海道新幹線のネット予約サービス「スマートEX」を通じて、交通系ICカードを改札にタッチするだけでチケットレス乗車を可能としており、運賃は登録クレジットカードから自動決済される仕組みを提供しています。
さらに、2026年春以降にはTOICAエリアでスマートフォンを改札や店舗端末にタッチして定期券購入・チャージが行えるモバイルICサービスを開始予定です。
将来はPayPayで鉄道旅が?
今回の実証実験は、単なるキャッシュレス化の一歩に留まりません。天竜川の美しい渓谷を車窓から眺め、歴史を感じる数々の「秘境駅」に降り立つ。そんな飯田線ならではのノスタルジックな鉄道旅が、これからは財布の小銭を気にすることなく、スマートフォンひとつで、より快適に楽しめるようになるのかもしれません。
「次の秘境駅で降ります。支払いはPayPayで」。
日本の原風景と最新テクノロジーが交差する、新しいローカル線の旅。そんな少し不思議な、便利な旅のスタイルが、もうすぐ現実のものとなるかもしれません。
(写真:PIXTA)
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