外観は改造前と大きくは変わらない「E501 サキガケ」(写真:JR東日本水戸支社)

梅雨明け直後からの猛暑にうだる日本列島。こんな時に飲みたいのは、もちろんキンキンに冷えたビール。

各地の鉄道会社から届いたビール列車の話題3題……。

レールメイトOGがエレクトーン演奏(関鉄)

茨城県の関東鉄道は2025年8月3日、「関鉄納涼ビール列車」を運行する。グループの旅行会社・関鉄観光バスが企画する定番のイベント列車ながら、今回は車内の催しを一ひねりする。

ゲストに迎えるのが神立響子さん。茨城県つくば市在住で、音楽大学で学んだピアノ、エレクトーン奏者だ。関鉄との縁は、5年前にさかのぼる。

神立さんは2020年11月から、守谷詩音(もりたにしおん)の活動名で関鉄レールメイトを務め、関鉄のイベントなどでアシスタントなどを務めたほか、守谷駅でエレクトーン演奏を披露したことも。読み方は違うが、名前の由来はもちろん守谷駅だ。

納涼ビール列車は守谷~下妻間で、守谷発11時17分、下妻発13時17分。冷え冷えのビールや缶酎ハイ飲み放題で、イタリアン&中華レストランの特製おつまみ弁当付き。募集80人。申し込みは予約サイト・パスマーケットから。

E501系改造の観光列車でクラフトビール(JR水戸支社)

続いても茨城から。JR東日本水戸支社は2025年8月30日、茨城県産のクラフトビールを楽しむイベント列車「E501 SAKIGAKE(サキガケ) ミト‐ヒチ ビアホール号」を運行する。

駅の略号で鉄道ファンならピンとくる、常磐線水戸~日立間を往復する。

列車は5両編成。水戸発11時33分、日立着13時。折り返しの日立で約30分間の休憩時間を取る。車内で飲めるのは日立、水戸、牛久、結城の茨城県内4カ所のブルワリー生まれのクラフトビール。地元食材を使った特製おつまみ弁当が付く。

E501サキガケは2023年、常磐線や水戸線を走るE501系を観光列車に改造。車内にテーブルと冷蔵庫を備え付けた。カラーリングは、観光・常磐線のシンボルで梅の名所・偕楽園の紅梅・白梅にちなんだ紅(ピンク)と白。
イベントはオリジナルコースターの記念品付き。定員75人、予約はJRE MALLチケットJR東日本水戸支社店。

クラフトビールと生ビールでおいしさ二度(養老鉄道)

ラストは中部に飛んで養老線のビール列車。

三重県桑名と岐阜県揖斐を結ぶ養老鉄道は、8月30日を「クラフトビールの日」、9月13日を「生ビールの日」に。2025年はそれぞれ、大垣~駒野間で「ビール列車」を運行する。クラフトと生を飲み比べる趣向だ。

両日とも大垣を11時30分に出て駒野で折り返し、13時28分に戻る。クラフトは原料にドイツ直輸入の有機無農薬麦芽と有機ホップを使用、生は風味や爽快感、口当たりにこだわる。1日フリーきっぷとオリジナルおつまみ弁当付き。

募集各日60人。申し込みは同社ホームページから。養老鉄道は桑名~大垣~揖斐57.5キロを運営、近畿日本鉄道が全額出資して2007年2月に設立された養老鉄道(二代目)が、同年10月に近鉄養老線を引き継いだ。車両は近鉄時代からの600系、620系と東急からの譲受車7700系(旧東急7700系)。

【参考】
標準軌、狭軌、ナローゲージ 日本で唯一の〝3ゲージ踏切〟で行き交う列車をウォッチング(三重県桑名市)【コラム】
https://tetsudo-ch.com/12978405.html

記事:上里夏生

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