どうなる北陸新幹線の敦賀以西 国交省の来年度予算概算要求では...の画像はこちら >>

国土交通省が2025年8月末、政府提出した2026年度予算の概算要求で、注目度の高い「北陸新幹線(敦賀~新大阪)の新規着工に要する経費」は2年連続の事項要求にとどまった。

2024年3月16日に金沢~敦賀が延伸開業した北陸新幹線。

敦賀以西の新大阪までは、与党PT(与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム)が2016年12月、福井県小浜と京都(京都市)を経由する「小浜京都ルート」が最適と判断している。

しかし、その後に事業費高騰が判明。京都市内を南北に地下縦貫する区間は地元の一部から異論も出ている。工事の遅れを懸念する一部自治体からは、いったんは消滅した敦賀から南下して滋賀県米原で東海道新幹線に接続する、「米原ルート」を推す声も挙がっている。

こうした状況を総合的に判断。国交省鉄道局は2026年度も2年連続で小浜京都ルートを明示しての概算要求を見送り。今回も、「北陸新幹線(敦賀~新大阪)の新規着工に要する経費について、事項要求を行う」にとどめた。

事項要求とは、翌年度予算の概算要求で金額を示さず事業項目だけを要望すること。政策の具体的メニューが未定で、政府・与党などの調整を待つ必要がある場合に採用される。

ほかに国交省は、整備新幹線関連で建設推進と高度化などの事業費として19億2300万円を要求(全額国費)。北陸新幹線の敦賀以西は、「科学的知見に基づいた情報発信による沿線地域の理解促進、着工5条件の確認、環境影響評価手続きに必要な調査」などを進める。

国交省は今回の概算要求で、整備新幹線整備事業費補助として国費803億7200万円(2025年度と同額)、事業費3489億円(2025年度は2658億円で31.3%増)を要求。

北海道新幹線の延伸区間、新函館北斗~札幌で集中的に工事に取り組む。

記事:上里夏生

(画像:PIXTA)

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