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茨城県の人気スポット「国営ひたち海浜公園」へのアクセスが、いよいよ鉄道で繋がります。ひたちなか市とひたちなか海浜鉄道が進めてきた「湊線鉄道事業再構築実施計画」が、2025年12月22日に、国土交通省より正式に認定されました。

現在の終点・阿字ヶ浦駅から公園西口付近まで3.1kmを延伸し、新駅2つを設置する大規模プロジェクト。2026年度(令和8年度)から本格始動する、鉄道路線の延伸、キャッシュレス対応や駅舎刷新など、湊線が大きく生まれ変わる計画の詳細をご紹介します。

国営ひたち海浜公園までの鉄道延伸、先行開業は31年春

計画の対象となるのは、ひたちなか海浜鉄道湊線の勝田駅から、(仮称)新駅2までの区間(17.4km)です。そのうち、新たに延伸される区間は3.1km(下図の赤い線路部分)で、新駅が2つ設置される予定です。この延伸により、現在は勝田駅からバスや車でのアクセスが中心となっている「国営ひたち海浜公園」の西口付近まで、鉄道により直接アクセスできるようになります。

茨城の観光アクセスが激変!国営ひたち海浜公園へ3.1km延伸、ひたちなか海浜鉄道に新駅2つが誕生しネモフィラ帰りに市場にも立ち寄れる
ひたちなか海浜鉄道湊線の延伸 事業構造の変更の内容(図:ひたちなか市)

事業構造についても変更があり、「みなし上下分離方式」が採用されます。鉄道事業の運営は民間が行うことで迅速な意思決定を維持し、自治体が経営を支援することで経営の安定を目指す手法です。
今回は、ひたちなか海浜鉄道が第一種鉄道事業者として運行及び鉄道施設等の維持管理を担い、ひたちなか市は茨城県とともに、鉄道施設等の設備更新及び維持・修繕に要する費用の全額を負担する事業構造となります。

茨城の観光アクセスが激変!国営ひたち海浜公園へ3.1km延伸、ひたちなか海浜鉄道に新駅2つが誕生しネモフィラ帰りに市場にも立ち寄れる
みなし上下分離方式となる実施スキーム (図:国土交通省)

今回の計画期間は、令和8年度(2026年度)~令和17年度(2035年度)までの10年間です。2026年度から、詳細設計・地質調査に着手するとされています。
延伸は2つの工区に分かれて工事が進められる予定で、第1工区は阿字ヶ浦駅~新駅1(国営ひたち海浜公園の南口ゲート付近)の区間になります。この第1工区に関しては、2031年春の先行開業を目指すと報道されています。

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ひたちなか海浜鉄道の運行状況と延伸区間(図:国土交通省)

延伸でどう変わる?「勝田駅~国営ひたち海浜公園」アクセス比較

国営ひたち海浜公園は、旧陸軍飛行場跡地に1991年開園した約200haの大規模な公園で、北関東の「花の名所」として知られています。年間の来園者が200万人超と、関東圏を中心に多くの観光客を集めています。

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国営ひたち海浜公園のネモフィラ(写真:公園財団)

【現在の路線バスでのアクセス】国営ひたち海浜公園へ公共交通を利用して移動する場合、現在のアクセスの主流は、JR勝田駅東口より路線バス(茨城交通)を利用してで国営ひたち海浜公園へ向かうルートです。この場合には、通常時であれば約15~20分で、450円で移動することはできます。

【延伸後の鉄道でのアクセス】ひたちなか海浜鉄道湊線の延伸後は、JR勝田駅より湊線直通で、約32~35分ほどの移動になると予想されます。価格は未定ですが、現行の勝田~阿字ヶ浦が570円となっています。
これだけを見ると、現行のバス利用の方が早くて安いように感じられるかもしれませんが、バス利用の場合にはネモフィラ・コキア等のシーズンには周辺の道路で激しい渋滞が発生することが多いため、それを回避して定時制が極めて高くなる鉄道利用は大きなメリットになります。

近くの観光拠点「那珂湊」で新鮮な魚を楽しむこともできるように!

観光客にとってのもう一つのメリットとしては、途中駅である那珂湊(なかみなと)などに立ち寄りができるようになることも挙げられます。

茨城の観光アクセスが激変!国営ひたち海浜公園へ3.1km延伸、ひたちなか海浜鉄道に新駅2つが誕生しネモフィラ帰りに市場にも立ち寄れる
那珂湊おさかな市場 (写真:PIXTA)

茨城県ひたちなか市は、日立グループの事業所などが多い旧勝田市と、港があり水産業が盛んな旧那珂湊市が1994年に合併して誕生しました。ひたちなか海浜鉄道湊線は、旧勝田市の中心部にある勝田駅から、旧那珂湊市の中心部を通り、その北側の国営ひたち海浜公園の付近へ延伸されることになります。

そのため、那珂湊駅の周辺にある漁港や市場(おさかな市場)といった人気観光スポットと国営ひたち海浜公園とを組み合わせて、周遊観光を楽しむことができるようになります。

茨城の観光アクセスが激変!国営ひたち海浜公園へ3.1km延伸、ひたちなか海浜鉄道に新駅2つが誕生しネモフィラ帰りに市場にも立ち寄れる
鮮魚を買うことも食べることもできる「那珂湊おさかな市場」 (PIXTA)

また、阿字ヶ浦駅から徒歩5分ほどの場所には、海水浴場もあるため、夏はビーチを楽しむこともできそうですね。

総事業費は約148億円、利便性向上による利用者増を目指す

計画では、今後10年間で大規模な投資が行われる予定です。主な取り組みと事業費は以下の通りです。

▼利便性向上施策(126.5億円)
国営ひたち海浜公園西口付近への延伸に加え、那珂湊駅や新駅へのキャッシュレス券売機の導入トイレの洋式化などが進められます。

▼設備更新・維持修繕(21.8億円)
既存の路線設備の更新や、信号保安設備の更新などが行われます。

「湊線鉄道事業再構築実施計画」概要

認定日:令和7年12月22日
計画期間:令和8年度~令和17年度(10年間)
対象路線:ひたちなか海浜鉄道湊線
延伸区間:L=3.1km(駅数:2駅)

【主な設備投資】
・国営ひたち海浜公園西口付近への延伸
・キャッシュレス券売機の導入(那珂湊駅、新駅1・2)
・トイレ洋式化
・路線設備・信号保安設備の更新

今回の国による認定は、ひたちなか海浜鉄道湊線にとって大きな転換点となります。令和8年度(2026年度)から始まる詳細設計を皮切りに、湊線はこれからの10年で阿字ヶ浦から国営ひたち海浜公園へと線路を伸ばし、地域の足、そして観光の主役として大きな飛躍が期待されます。ネモフィラの青い丘へ、湊線で直接アクセスできる日の到来を楽しみに待ちましょう。
(画像:ひたちなか海浜鉄道、ひたちなか市、国土交通省、PIXTA)

鉄道チャンネル編集部
(旅と週末おでかけ!鉄道チャンネル)

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