ギリギリの戦い続くインテル photo/Getty Images
守備の整備は必要不可欠
アントニオ・コンテはこれまでも粘り強く守れる手堅いチームを作り上げてきたが、現在指揮するインテルではその強みが発揮されていない。
今季はスクデットも狙えると開幕前から評判だったのだが、とにかく守れないのだ。
22日に行われたトリノ戦は4-2で勝利を収めたが、先に2点をリードされる苦しい展開だった。62分にPKから2点目を許したところでようやくスイッチが入ったのか、64分のFWアレクシス・サンチェスの得点から怒涛の猛攻で4点を挙げて何とか勝利を手にした。
今季はこうしたケースが非常に目立つ。今月3日に行われたチャンピオンズリーグのレアル・マドリード戦も先に2点を奪われ、そこから反撃に転じて2点を奪い返すゲーム展開だった。結局は2-3で敗れており、最初にリードを奪われると苦しい。
その3日前に行われた10月31日のパルマ戦も同じで、2点を先行されてから反撃を開始し、後半アディショナルタイムにイヴァン・ペリシッチがゴールを決めて何とか2-2のドローに持ち込んだ。
国内リーグの中堅クラブ相手ならば、先にリードを奪われたところから逆転することも不可能ではない。しかしチャンピオンズリーグなどハイレベルな戦いでは、先にリードされると逆転は難しくなってしまう。ビッグマッチに勝つためには守備の整備が不可欠だ。
問題としてはセンターバックの層が薄い。ステファン・デ・フライ、ミラン・シュクリニアル、伸び盛りのアレッサンドロ・バストーニで構成する3バックがメインだが、バックアッパーが揃っていない。
アンドレア・ラノッキアはいるが、トップレベルのセンターバックと呼ぶべきかは微妙なところ。今季はシュクリニアルが新型コロナウイルスの影響で欠場していた時期があり、緊急時にはダニーロ・ダンブロージオやアレクサンダル・コラロフをセンターバックに回すしかなかった。
今夏にベテランのディエゴ・ゴディンを手放していることもあり、センターバックのローテーションが難しいのだ。コンテとしても頭を悩ませているはずだが、修正していけるだろうか。リーグ戦8試合で13失点はコンテのチームらしくない数字だ。この守備でユヴェントスからリーグタイトルを奪い取るのは難しいだろう。