長くドイツ代表を支えてきたボアテングとフンメルス photo/Getty Images
ワールドクラスと呼べるセンターバックは育っているのか
2014年のブラジルワールドカップを制したドイツ代表では、マッツ・フンメルスとジェローム・ボアテングのセンターバックコンビが最終ラインを巧みにまとめていた。
今では話題に上がる機会が少なくなりつつあるが、当時は2人とも世界最高級センターバックと評されていた実力者だ。
では、2人に代わる後継者は育っているのだろうか。今もドルトムントで高いパフォーマンスを見せるフンメルスには代表復帰待望論があるが、理想としてはフンメルス待望論をかき消すほどの若手に出てきてほしいところ。
最近の招集メンバーから考えると、後継者候補となるのはボルシアMGのマティアス・ギンター、レヴァークーゼンのヨナタン・ター、バイエルンのニクラス・ズーレといったところだが、若い頃の評価に比べて伸び悩んでいる印象がある。

ズーレもバイエルンで主力になりきれず photo/Getty Images
EURO2020へ頼れるセンターバックはいるか
24歳のターは実力者だが、レヴァークーゼンには他にも21歳のエドモン・タプソバ、アレクサンダー・ドラゴビッチ、スヴェン・ベンダーと実力あるセンターバックが揃う。現在はベンダーが離脱しているためターも継続的に出番を得ているが、序盤戦はベンチの機会も多かった。ドイツ代表でも13試合しかプレイ経験がなく、やや国際経験不足か。
そのターに近い世代として注目されてきた25歳のズーレもバイエルンで思うように出番が増えない。バイエルンではボアテングが評価を取り戻しており、左センターバックにはダビド・アラバ、リュカ・エルナンデスとレフティーの実力者がいる。
ズーレの出番は限定され、今季は右サイドバックに回る機会も何度かあった。ワールドクラスのセンターバックへ成長できているかは微妙なところだろう。
ボルシアMGのギンターは継続的に出番を得ており、安定感ではズーレらより1枚上か。
他にはギンターと同じ27歳のチェルシーDFアントニオ・リュディガーもいるが、こちらはフランク・ランパード体制でなかなか出番が増えなかった。指揮官がトーマス・トゥヘルに交代してからは2試合続けてフル出場しているため、ここから出番を増やしてEURO2020を目指してほしいところ。
イングランドのリーズ・ユナイテッドでプレイする24歳のロビン・コッホも興味深い人材だが、こちらも国際経験が不足しているのは明らか。まだ代表の最終ラインを安心して任せることはできないか。
2018ロシアワールドカップでのグループステージ敗退からドイツ代表には厳しい視線が向けられており、世代交代失敗との批判もあった。センターバックの位置では7年前のボアテング、フンメルス級の選手登場を期待したいところだが、当分は難しいのだろうか。