フリーキックの精度を磨き続けてきたメッシ photo/Getty Images
今やメッシは世界最高のフリーキッカー
ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドが年齢とともにプレイスタイルを変えていったのは有名な話だが、進化したのはロナウドだけではない。長年ライバルとなってきたアルゼンチン代表FWリオネル・メッシも新たな武器を磨き続けてきた。
その1つが飛び道具となるフリーキックだ。若い頃よりキック精度は高かったが、今は明らかに当時より精度が上がっている。これはメッシの努力ゆえ身についた武器と言える。
メッシは現在アルゼンチン代表の一員としてコパ・アメリカを戦っているが、グループステージ第1節のチリ戦では直接フリーキックから得点を記録。これでフリーキックによるキャリア通算得点数は57点となり、ついにクリスティアーノ・ロナウドの56点を超えた。
興味深いのは、フリーキック得点数の推移だ。ロナウドも世代を代表するキッカーの1人で、2011年時点で30点をフリーキックから奪っていた。
一方、2011年時点のメッシはフリーキックから4点しか奪っていなかった。飛び道具はロナウドの方が優れているとの評価だったが、10年でその評価が逆転したことになる。
ロナウドの方はフリーキックによる得点ペースが大きく落ち、最近は明後日の方向へ飛んでいくことや壁にぶつけるシーンが増えた。今やフリーキック精度でロナウドの方がメッシより上と主張するサッカーファンは少なくなっているはずだ。
アルゼンチン代表では過去にファン・ロマン・リケルメが名キッカーとして活躍したが、メッシは代表でのフリーキック得点数でもリケルメを上回った(7得点)。
メッシは歴史に名を残すキッカーとなり、この数字はまだ伸びていくだろう。年齢を重ねてもメッシが活躍を続けられる理由の1つがキック精度向上であり、ゲームメイクからフリーキックまでプレイの幅が若い頃より増えている。現役最高のフリーキッカーはメッシと断言しても問題はないか。