今回は招集外となった鎌田 photo/Getty Images
攻撃で違いを作れる鎌田だが
吉田麻也や冨安健洋、三笘薫など前回の代表戦で活躍した選手が負傷の影響から代表不参加となった今回の代表ウィーク。日本代表は万全のメンバーではない状態でアジア最終予選の2試合を戦った。
控えだった板倉滉、谷口彰悟の活躍、10番を背負う南野拓実のゴールと今後に向けて大きな収穫を得られた試合となったが、やはり気になるのは攻撃面でのアイデア不足だ。守備面ではベテラン長友佑都らの活躍もあり、強度高く相手の攻撃を跳ね返していたが、いかんせん攻撃が伊東純也頼りであり、彼が不在となるだけで得点が奪えない未来が簡単に予想できる。
そこで期待したいのが鎌田大地の代表復帰だ。現在はドイツのフランクフルトで元日本代表の長谷部誠とプレイする鎌田。今季こそ2ゴール1アシストと停滞気味だが、昨季は5ゴール11アシストの素晴らしい数字を残し、存在感を示している。
その活躍もあり、代表でも主軸の鎌田だったが、オーストラリア戦から[4-3-3]にフォーメーションを変更してからは出番がなく、今回の代表戦でも招集外となっている。理由は明確であり、鎌田が生きる中央のポジションはないからだ。鎌田は中央のバイタルエリアで輝く選手であり、英『The Athletic』では現代のナンバー10として称賛されている。
それでも、今の代表では同じく中央で生きる南野を無理やり左サイドで起用し、中央でプレイさせている。能力のある選手を適性外のポジションで起用しているのは、遠藤航、田中碧、守田英正の中盤トリオを崩さないためだろう。彼らが今の代表の心臓であり、ここを崩すことになればたちまち勝てなくなると予想できる。
そのため、鎌田が得意とするトップ下の復活は望めず、ポジションを得られるとすれば同じタイプの南野と左ウイングを争うことになるだろう。しかし、南野と同様に適性外のポジションであり、思うように輝けない場合は批判が免れないといえる。さらにこのポジションには明確なドリブルという武器を持った中島翔哉や三笘薫がおり、ポジション争いはさらに熾烈なものとなりそうだ。
[4-3-3]を基本のフォーメーションとしてからは出番のない鎌田。南野の起用法から彼にも出番があると考えられなくもないが、強力なライバルの存在もあり、少なくとも森保政権での彼は不遇の存在となる可能性は高いだろう。