ウタカ、仲川に並ぶリーグ得点王はWB? ユーティリティ性を武...の画像はこちら >>

得点後チームメイトと喜びを分かち合う鈴木(左) photo/Getty images

攻撃時のポジショニングとクロスが素晴らしい

近年ではJ1とJ2を行き来しているジュビロ磐田。昨季は27勝10分5敗の勝ち点91ポイントでJ2リーグを優勝し、2019年シーズン以来のJ1復帰を果たしている。



磐田にとって3季ぶりのトップカテゴリーでの戦いだが、ここまで4試合戦って1勝2分1敗とまずまずなスタートを見せている。懸念事項であったルキアンの穴は目立ったほどではなく、4試合で7ゴールと予想以上の得点力を見せている。そんな磐田の得点力を支えているのはFWではなく、ウイングバックの鈴木雄斗だ。

水戸ホーリーホックでキャリアをスタートさせ、その後モンテディオ山形川崎フロンターレガンバ大阪、松本山雅と複数のクラブでプレイ。磐田には昨季から加わっており、昇格に大きく貢献している。

WBとして磐田では出番を得ている選手だが、これまでにセンターフォワードや中盤、センターバックでのプレイ経験を持つユーティリティプレイヤーだ。磐田では両ウイングバックに加え、3バックの一角を任されている。

非常に万能な選手であり、複数の武器を持っているが、最も特長的な彼の強みは両足から放たれる高精度のクロスとポジショニングだろう。クロスは弧を描く浮いたボールもあれば、浮かせないグラウンダーのパスも出せるなどバリエーションが豊富であり、昨季は磐田でWBながら8ゴール6アシストを記録している。J1にカテゴリーを上げてもその輝きは変わらず、ここまでの4試合で3ゴールを記録しており、ピーター・ウタカや仲川輝人らと並びリーグ得点王となっている。

そのクロスを危険な位置から放つことができているのは彼のポジショニングであり、オーバーラップに加えインナーラップも習得済みだ。他の選手に合わせて動きを変えられる選手であり、5日の京都サンガF.C.戦での2点目はまさにその形だ。
遠藤保仁のロングフィードに反応した大津祐樹は右サイドに流れており、その時鈴木は大津とポジションを入れ替えFWとして中央から抜け出しを行っている。最後は大津がクロスを供給し、鈴木が押し込んでおり、WBながらストライカーのような振る舞いを見せている。これも彼が複数のポジションでプレイしていた経験が為せる業だといえる。

1-1で引き分けとなったガンバ大阪戦でも大森晃太郎のゴールをアシストしている鈴木。28歳と若い選手ではないが、今季J1の舞台で注目されるべき選手の一人だろう。

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