フランクフルトで成長するトゥタ photo/Getty Images
若い世代の頑張りも目立つ
ブンデスリーガでは11位に終わったが、ヨーロッパリーグではファイナルまで駒を進めたフランクフルト。充実のシーズンと言っていいが、中でも注目したいのは最終ラインの構成だ。
近年のフランクフルトは長谷部誠を3バックの真ん中に据えるスタイルを採用する機会が多く、それこそ長谷部が38歳を迎えても絶賛されてきた理由だ。しかし、チームには世代交代が必要だ。今季も緩やかにその変化が感じられる。
独『Bild』が成長を称えたのは、22歳のブラジル人DFトゥタだ。
長谷部より16歳も若いトゥタはまだ粗削りなところもあるが、昨季よりプレイタイムが増えた。ヨーロッパリーグ準決勝のウェストハム戦でも1stレグ、2ndレグの両方にフル出場している一方で、長谷部はどちらもベンチだった。同メディアトゥタ、さらには26歳のアルマミ・トゥレらの成長で長谷部の負担が減ったと見ている。実際、長谷部のリーグ戦でのプレイタイムは昨季の2292分から1659分へと減少している。
U-21フランス代表でのプレイ歴もある22歳のDFエヴァン・ヌディカには今夏の移籍説もあるが、若いトゥタが成長しているのは心強い。トゥタは2019年にブラジルのサンパウロから180万ユーロの移籍金で獲得し、ベルギーのコルトレイクへのレンタル移籍を経てフランクフルトの戦力になった。コスト面でもお得な補強で、フランクフルトの目の付け所は正しかったということか。今では1000万ユーロまで市場価値が上昇している。
前線では昨夏にフリーで加えたコロンビア代表FWラファエル・サントス・ボレ(26)が徐々に調子を上げ、ここまで全コンペティション合わせて11得点8アシストの数字を残している。リーグ戦の結果は少々悔しいものとなったが、トゥタと合わせてフランクフルトは来季への準備も進んでいる。今夏の主力退団にも備える必要はあるが、18日に行われるレンジャーズとのヨーロッパリーグ決勝を制することが出来れば大満足のシーズンとなるだろう。