現アジアNo.FWと言われるソン・フンミン photo/Getty Images
トッテナムでのパフォーマンスは見事だが……
現アジア最高のアタッカーは誰かと問われれば、誰もがトッテナムに所属する韓国代表FWソン・フンミンの名前を挙げるだろう。プレミアリーグで得点王のタイトルを獲得した実績は特別で、その実力はワールドクラスだ。
しかし、クラブの派手な数字に比べると代表でのソン・フンミンは少々物足りない。今年のワールドカップ・カタール大会でもアジアNo.1FWとして注目は集めるだろうが、期待に応えられるかは分からない。これまでの代表キャリアでは思うほど数字が伸びていないからだ。
韓国代表は今月6日にチリ代表と親善試合を戦っているが、ソン・フンミンにとってはこれが代表100キャップ目だった。100試合出場時点での得点数は32ゴールとなっており、やや物足りない印象もある。
同じアジアの日本代表選手と比較してみると、MF香川真司は97試合で31ゴール、本田圭佑は98試合で37ゴール、岡崎慎司は119試合で50ゴール、大迫勇也は57試合で25ゴールとなっており、代表での得点ペースは本田や岡崎、大迫の方が上だ。
トッテナムでのプレイとは異なり、韓国代表がソン・フンミンの能力を100%引き出せていない部分もあるだろう。ソン・フンミンは今年のカタール大会へ向けたアジア予選では最大の敵だったイラン代表相手に2ゴールを奪う活躍を見せたものの、0-1で敗れたUAE戦、スコアレスドローだったイラク戦、北朝鮮戦、レバノン戦など、フル出場しながら無得点に終わったゲームも少なくない。
今回のアジア予選でソン・フンミンは7ゴールとなっているが、対戦相手の質を考えれば満足はできないだろう。南野拓実、大迫、イランのサルダル・アズムンといった選手たちの方が単純な数字は上回っている(10ゴール)。
ソン・フンミンは2014年のブラジル大会、2018年のロシア大会ともグループステージ敗退に終わっており、まだワールドカップ決勝トーナメントを戦ったことがない。今年のカタール大会こそはと意気込んでいるだろうが、韓国がチーム全体でどこまでソン・フンミンの得点力を引き出せるかがカギだ。