マンUでプレイしていたテベス photo/Getty Images
攻撃だけでなく守備の貢献度も抜群
現在のマンチェスター・ユナイテッドにも優れたアタッカーが揃うが、真の意味で汗をかいてくれるFWはいるだろうか。
マンUのレジェンドであるウェイン・ルーニーが懐かしんでいたのは、元アルゼンチン代表FWカルロス・テベスだ。
テベスは重戦車のような分厚い肉体を活かして前線でボールを収めることも出来れば、ドリブルで局面を打開したり、得点感覚も鋭かった。そして何より、守備時には相手を追い回してくれる豊富な運動量があった。ルーニーが評価しているのはこの部分だ。
マンUは2日に行われたマンチェスター・シティとのダービーマッチを3-6のスコアで落としてしまったが、テベスのようなタイプのFWがいれば多少は相手のビルドアップを妨害することは出来たかもしれない。
今年2月、ルーニーは最高の相棒だったとテベスについてこう振り返っている。
「僕たちの関係性を楽しんでいたよ。前線でコンビを組む僕たちは互いをよく理解していた。ルイ・サハ、ファン・ニステルローイ、ファン・ペルシーたちと一緒にプレイするときは常に彼らが9番の位置で、僕は10番の役割となっていた。テベスとの場合はローテーションできる。僕が9番に入ったり、彼が9番で僕が10番だったり。ボールを失った際には、僕たちは闘牛のように奪い返そうとしていた。ストライカーのパートナーとして、彼は最もプレイを楽しんだ1人だね」(英『The Sun』より)。
そこに若いクリスティアーノ・ロナウドや、さらに負けじと汗をかくパク・チソンのような選手もいた。今のチームもハードワーク出来ないわけではないが、アレックス・ファーガソン氏が指揮した当時に比べるとボールを奪い返す闘争心には差があるのかもしれない。テベスほど守備を頑張ってくれるFWも珍しく、それもファーガソン氏を含め各チームの指揮官たちから信頼された理由なのだろう。