PSGの中盤を支えたマテュイディ photo/Getty Images
中盤を走り続けた陰のヒーロー
今季はベスト16でバイエルンに敗れ、またしてもチャンピオンズリーグ制覇の夢が消えたパリ・サンジェルマン。
前線にはリオネル・メッシ、キリアン・ムバッペ、ネイマール(負傷離脱中)らスーパースターが揃っているのだが、なぜか結果に繋がらない。
これまでもパリは悲願の欧州制覇へ向けてスター選手を毎年のように獲得してきたが、スターを並べるだけでは勝てないのだろう。今のパリに求められているのは、チームのために汗をかいてくれる選手なのかもしれない。
クラブOBのマテュー・ボドメル氏が2010年代のパリにとって大きな存在だったと振り返ったのが元フランス代表MFブレイズ・マテュイディだ。
当時のパリにはズラタン・イブラヒモビッチが絶対的キングとして君臨しており、ボドメル氏はイブラヒモビッチの存在も大きかったと称えている。ただ、マテュイディの重要性はイブラヒモビッチに負けず劣らずのものだったのだろう。
「マテュイディがやってきて、最初のトレーニングから強度が変わったんだ。彼はファイトし、すべてのトレーニングで100%を出していた。ブレイズに引っ張られ、必然的に全員が100%でプレイしないといけなくなったんだ」(『Canal Supporters』より)。
マテュイディはフランス代表でも中盤を上下動し続けていた。決して派手なテクニックがある選手ではなかったが、強いチームには2人分くらい走る汗かき役がいるものだ。
その貢献度は決して過小評価するべきではなく、勝利のためにはマテュイディのような選手も必要なのだろう。パリはマテュイディの後継者となる選手を獲得すべきで、前線にスターを並べるだけで欧州制覇は実現しないか。