インテルの守備を束ねるアチェルビ photo/Getty Images
これまではボヌッチらの方にスポットが当たっていたが……
セリエAで首位を維持し、チャンピオンズリーグでも危なげなく決勝トーナメント進出を決めたインテル。そのチームを最終ラインから支えるのが35歳のベテランDFフランチェスコ・アチェルビだ。
やや地味なセンターバックとの印象もあるかもしれない。長くサッスオーロとラツィオで活躍してきたセンターバックではあるが、イタリア代表でも絶対的主力だったことは少ない。世代の近いところにレオナルド・ボヌッチやジョルジョ・キエッリーニら名手がいたこともあり、代表でもバックアッパー的立ち位置にあることが多かった選手だ。
しかし、昨夏に加入したインテルで35歳・アチェルビの評価はじわじわと上昇している。昨季チームはチャンピオンズリーグ決勝まで勝ち進んだが、3バックを中心からまとめていたのはアチェルビだ。決勝トーナメントからは全試合にフル出場しており、シモーネ・インザーギのサッカーに欠かせないディフェンスリーダーとなっている。
それは今季も変わらず、怪我から戻ってきたセリエA第4節よりフル出場を続けている。チャンピオンズリーグでも第3節のザルツブルク戦以外は3試合とも出場しており、35歳の今が最も充実した時間と言っていいかもしれない。
イタリア代表では優勝したEURO2020のメンバーに入っていたが、準々決勝、準決勝、決勝はすべて出番がなかった。当時はボヌッチ、キエッリーニが中心で、アチェルビに注目が集まる機会は少なかったのだ。
しかし、193cmのサイズを誇るアチェルビはセリエAでの経験も豊富な頼れる大型センターバックだ。今のイタリア代表ではインテルでチームメイトのアレッサンドロ・バストーニやアタランタのジョルジョ・スカルビーニなど若手DFも育っているが、アチェルビの経験値と冷静さは貴重な武器となる。