イタリア代表の主力としてEURO2024にも出場したキエーザ Photo/Getty Images
ユヴェントスでは新監督の構想外となった
ユヴェントスからリヴァプールへの移籍が決まったイタリア代表FWフェデリコ・キエーザ。今夏のリヴァプールの実質的な補強第一号といってよいが、多くの人は1000万ポンドとされる移籍金について疑問に思ったかもしれない。
キエーザは26歳と脂の乗った年齢で、昨季はセリエAで25試合に先発し9ゴールを挙げた主力だった。それにしては、1000万ポンドという移籍金は破格に安い。特に移籍金の高騰が近年著しいプレミアリーグにおいては、あまり見られない金額だ。
英『Mirror』はいくつかの考察を挙げ、キエーザが激安である理由を説明している。おそらくもっとも大きな理由は、彼の契約が残り1年しかなく、新契約を結ぶ意思が希薄だったことだ。ユーヴェの新監督チアゴ・モッタも、彼をチーム計画に含めていなかった。
また、キエーザが負傷がちであることも指摘されている。EURO2020でその名を轟かせたキエーザだったが、半年後に前十字靭帯の大きな損傷を負い、その後10カ月ほど出場できなかった。プレミアリーグはフィジカル面でおそらくセリエAよりもハードなリーグで、その点は確かに懸念材料だ。
しかし、それらの点を差っ引いても1000万ポンドはバーゲン価格だ。契約最終年となるモハメド・サラーが退団したときの備えとしても、キエーザと同じく負傷がちなディオゴ・ジョタの代わりとしても心強く、何よりスピードのあるサイドのアタッカーという性格はリヴァプールに合っている。激安価格で手に入れたこのイタリア代表のスターがどれほどの活躍を見せてくれるか、期待したい。